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さよなら東急ハンズ、こんにちはハンズ地球研究室
5年前のある日、神戸出身の私にとって哀しくもショックなニュースが飛び込んできた。
東急ハンズ神戸三宮店が閉店するというものだ。
↓ 当時の神戸新聞の記事
私が初めて東急ハンズで買ったもの、それは蛍石の八面体結晶だ。
鉱物が好きになり始めた子ども時代だった。
1000円札を握りしめ、緊張しながら店員にショーケースを開けてもらい、水色の800円の八面体結晶を時間をかけて選んだ。当時、消費税は3パーセントだった。
かれこれ30年ほど昔のことになるが、買い物したときの緊張やわくわく感をよく憶えている。
その頃は天然石や鉱物標本は今よりもマニアックな商品で、いつでも…特に子どもが気軽に買える店は滅多になかった。
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美術を学んだ学生時代は、画材を求めて通っていた。
店内を見て回るだけでも楽しかったし、ここで初めて見る素材も多く、アイデアの宝庫だった。
目的以外にも面白い商品を見つけてついつい買ってしまった!しまった、今月のお小遣いが…
そんな経験も少なくなかった。
記憶の中の「お買い物」
5年前の2020年といえば、まさにコロナ禍が閉店への追い打ちをかけたのだろう。
けれども、それ以前から厳しかったのかもしれない。
「変わった商品を探すならハンズへ」…というイメージは、残念ながら昔ほどではなくなっていた。
「実物を見て刺激を受けて買う」とか、「商品知識が豊富な店員さんからアドバイスをもらって買う」ということが、平成後期はハンズに限らずどんどん減っていた。
それにしても…。
阪急三宮駅を降りると、大きな柱に支えられた吹き抜けがある。『火垂るの墓』冒頭で主人公の男の子が野垂れ死にしていたシーン、あの駅のレトロな面影が残されている。
南側のセンター街へ出て、ナガサワ文具センターでセールになった画材を買い漁り、小さなアクセサリー屋と本屋をハシゴして、トアロードを北に歩いて東急ハンズへと向かう。
あのコースは、もう記憶の中だけになってしまった。
大きな店舗はなかなか潰れないもので、ハンズも半永久的になくならないと思っていたのに。
阪神淡路大震災を経ても変わらず続いていたのに。
受け継がれ、バージョンアップ
東急ハンズは2022年にHANDSとなり、ロゴマークも変わった。
一方、私も住む街が変わり、仕事のやり方も変え、行動範囲が少しばかり広くなった。
そんな中、ふと立ち寄ったJR名古屋タカシマヤ内のハンズで、いろいろと込み上げてくるものがあった。
かつての私が通い詰めた東急ハンズのにおいを感じたからだった。
それどころか、私が仕事でやり取りのある業者さんの商品があったりイベント出展があったりもして、記憶の中のハンズよりもずっとずっとバージョンアップしていたのだ。
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どんどん景色は変わる。
古いものは淘汰され新しいものに入れ替わる。
でも、失ったと思っていたものは、実は意外と身近なところで息づいていた。
まさに「ネットショッピングでは得られない栄養素」であった。
この先、急速に時代が変わっていきそうに感じるけれども、子どもの頃から今も大好きな「実店舗でのお買い物」のことをnoteに残しておこうと思う。
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