亡霊
一昨日、桃を食べた。
今日、素麺を茹でた。
まだ、私は夏が恋しい。
今ここで、夏の亡霊をしている。
夏に得たものと失ったもの、手に入れかけて逃してしまったもの。
全部に捕らわれながら、私が全部を捕えている。
何も上手くいかない日々で、死と酒と彼と彼女しか考えられない。
呪いたい人が、事がどんどん増えていく。
でも、きっと彼と彼女を諦められない私はもう少しだけ、生きるのだと思う。
その旅路で、彼に貰った美しい日々と人知れず空けた白ワインと彼女との思い出だけは忘れずに、生きていきたい。
それしか考えられない、木曜の夜。
また私は亡霊のようにこの暗闇を過ごすのだ。
では、また。
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