海月揺蕩う箱庭

海月揺蕩う箱庭
幻想に揺れる、何処にも無い場所
秘密を共有、黄昏時の水面
僕等はただただ、永遠に時を統べる賢者

無数の
泡に
綴じ込め
綴じ込め
ゆっくり
ゆっくり
一瞬の
永遠を
揺蕩う
半透明な命

君を置いていくよ
手が届かない場所へ
置いていくよ
その記憶を壊すまで

無数の
泡に
綴じ込め
綴じ込め
躰の力を
抜いて
堕ちて
いこう
何も
恐れないで

いま

無数の
泡に
綴じ込め
綴じ込め
ゆっくり
ゆっくり
一瞬の
永遠を
揺蕩う
半透明な命

君を置いていくよ
手が届かない場所へ
置いていくよ
その記憶を壊すまで

やさしく潰れる音がするね
かすかな吐息が耳を貫く

やさしく消える気配がするね
ここまで来たのに、振り返ってはいけないよ

海月揺蕩う箱庭
幻想に揺れる、何処にも無い場所
秘密を共有、黄昏時の水面
僕等はただただ、永遠に時を統べる賢者

永遠に彷徨う愚かな旅人


(2020/06/23)

いいなと思ったら応援しよう!