針鼠
気にし過ぎだからと君は笑った
笑って背中を叩いた
痛いな なんてぼんやり考えて
僕は嘘笑いで目を伏せた
基準は君じゃないと
大声で叫べば楽か
君に何が解るんだと
信頼を割れば地獄か
気にし過ぎだからと君は笑った
笑って背中を叩いた
痛いな なんてぼんやり考えて
僕は嘘笑いで目を伏せた
中心は君じゃないと
大声で叫べば楽か
君に何が解るんだと
信頼を割れば地獄か
なんて言いながら僕は
世界の隅で小石を蹴る
あれは僕だ
今日も割れる音がする
気にし過ぎだからと君は笑った…
笑って背中を叩いた…
叩いた…
成りたいようになれないと
自身の棘を抜いては刺し
卑屈な心で ひたすら刺すのは
自分の心だった
基準は君じゃないと
大声で叫べば楽か
君に何が解るんだと
信頼を割れば地獄か
気付けば穴だらけの心
擦り切れて小さく疼く
空を仰ぐ 雲ひとつない
最悪なくらいに快晴の午後
(2020/05/11)