砂に沈む
嘘と偽善とほんの少しの本音と
砂のような苦味が
眠れない夜を演出する
嘘と偽善とほんの少しの本音と
どれが真実かなんて重要じゃない
早く睡魔を返してくれ
早起きの憂鬱
朝なんて来なければいい
そういえば靴下が片方ない
乾燥機の音が煩い
隣の部屋から愉快な寝息の調べ
明日は見たくもない顔を見て
へらへら愛想振り撒いて
いつの間にか穴の空いた靴下
焦げ付いた心の端っこ
考えれば考えるほど 煮詰まって
味がどんどん濃くなって
塩気が強いだけなら美味くない
丁度いい匙加減でいたい
また休日が来る、終わる、平日の帰還。
嘘と偽善とほんの少しの本音と
砂のような苦味が
眠れない夜を演出する
嘘と偽善とほんの少しの本音と
嘘吐きは今宵も寝付きが悪い
沈め沈め朝が来る前に
(2021/09/26)