君の足音が消えた日

君の足音が消えた日、とても寂しくなった
悲しいのに涙も出ない、ぽっかり空いた穴

君の足音が消えた日、とても虚しくなった
遠くで誰かが呼んでいる、そこに居ないのに

見えない手を振る
二度と戻らないと手を振る
それすら気付きたくなかった
愛おしい時間はずっと続くと思っていたんだ

見えない手を探す
二度と戻らぬ声を探している
ちゃんと伝えればよかったんだ
愛おしい時間はずっと続かないのに僕は

今更、今更、後悔を知っていたのに
今更、今更、こんなに苦しくなるのならもう

君の足音が消えた日、色が消えていった日
ゆらゆら揺れる影、遠ざかる記憶

君の足音が消えた日、立ち止まるこころ
この先どうすればいいのと問う
君はもう居ないのに

君はもう振り返らないのに

かけがえのない時間だった
とてもやさしく穏やかで
荒んだこころを潤してくれた
それをもっと早く伝えていれば

見えない手を振る
二度と戻らないと手を振る
それすら気付きたくなかった
愛おしい時間はずっと続くと思っていたんだ

見えない手を探す
二度と戻らぬ声を探している
ちゃんと伝えればよかったんだ
愛おしい時間はずっと続かないのに僕は

今更、今更、後悔を知っていたのに
今更、今更、こんなに苦しくなるのならもう

倒れ込む身体
深海のように沈みこむベッド
このまま覚めなければいい
君の足音が消えた日


(2020/06/11)

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