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【活動】JEITAエコシステムワークショップ (後半)
今回のnoteは、半年前の3/2にSHIBUYA QWSにて実施されたJEITAエコシステムワークショップを2回に分けてお届けする後半です。記事は(株)ニコンの小野が担当いたします。
JEITAデザイン委員会、デザインマネジメント委員会が3か年で取り組む『デザイナーが模索するエコシステム』活動の初年度に開催したワークショップの報告です。
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※前半のnote、URL:https://note.com/jeita_design/n/n7006dcbe7838
※SHIBUYA QWSのURL:https://shibuya-qws.com/
おさらいになりますが、ワークショップテーマは、「どうすれば誰もが生きがいを持って日々を生きられるようになるだろうか?」。参加者は、JEITAデザイン委員会に参加している企業さんから28名の精鋭が集合しています。A~Eの5つのチームに分かれ、それぞれのチームにSHIBUYA QWSさんから1名ずつ参加していただきました。
ワークショップのプロセスはざっくりと、①アイスブレークで場を温め、②生きがいとは何かを語り合い、③このワークショップで解くべき問いを立てて、④アイデアを出し合い発散し、⑤アイデアをまとめ(収束)、⑥みんなで共有するためのプレゼンを考えて発表する、という構成で、前半の①〜③では、参加者がテーマにむきあい。QUESTION STORMING(テーマに対して「問い」を立てることにより、よりテーマの本質に迫る手法)を用いながら、チームに分かれてテーマを定める様子を報告しました。後半の④〜⑥では、各チームが立てた問いに基づいてアイデアを展開し、そこから各グループでアイデアを収束させ、プレゼンの形で発表し合った経過を報告します。
■④各自アイデアシートを利用して、アイデアを出して発散させます。
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■⑤チーム毎にアイデアシートを持ち寄り、発散させたアイデアをまとめ、プレゼンの準備を進めます。
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■⑥そして、本日のクライマックス。各チームのプレゼンです。
【A team】 “生きがいをリサイクルできるのか”→見知らぬ私と未来の僕
昆虫、写真撮影等を諦めた人が、自分の生きがいをポイっと捨てる。捨てられた生きがいから、サービスが抽象化した「夢中になった体験」等のコアを取り出し、タグ付けし、受け渡しできる形にラッピングする。新しくラッピングされた生きがいの中から、生きがいを見つけられずに悩んでいる人に相応しい生きがいを提供できたら・・・きっとより多くの人が生きがいを見つけて生き生きできるのでは?
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【B team】 “生きがいに賞味期限はあるのか”→生きがい変(身)心ベルト
生きがいを測定できたら面白い。生きがいを感じている間は、時間が短く感じられる。生きがい変(身)心ベルトはその時間を集計して行くことで、自分を振り返ってみた時に自分の盛り上がりポイントを再確認することができ、生きがいを感じることに繋がってゆく。
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【C team】 “どうすれば心に火をつけられるのか”→弟子入りアプリ
生きがいを見つける過程では、師匠に相当する人がいると良いが、中々自分に合う師匠を見つけることが難しい。師匠の得意分野と弟子の意向が一致しないことや、弟子の成長に合わせて、師匠のレベルを変えたくなることもある。師匠と弟子のマッチングがより手軽に、かつ的確に実現できたら、生きがいを見つけられる人が増えるのではないか?
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【D team】 “自分の生きがいに自信を持つにはどうすればいいか”→負のホメ合い仮面舞踏会
自分の生きがい(料理が台になしになる動画を見るのが大好き、人の不幸、悪口が大好き等)の中には、堂々と表現し難いマインドが働いてしまうものがある。なんとなく負い目を感じてしまうマインドに対して、仮面舞踏会のイメージを模した、負の生きがいに合わせた仮面を身につけることで、生きがいを共有し、褒め合える場を提供する。
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【E team】 “どうすれば生きがいロスを前向きに捉えられるか”→色々な生きがいロスの体験から旅行プランを提供する
推していたアイドルが解散してしまい、生きがいを失った人が、その体験を販売し、収入に変えることにより生きがいを取り戻し、買った人はその体験に、全国3ヶ所を巡り、3階席から初めて、最後はアリーナ席でコンサートを楽しむツアーという付加価値を付けることで買い取った価格以上の体験プランとして提供するストーリー。オークションで高額の取引になれば、売り手への還元も高額になる。
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■おわりに
各チームそれぞれの視点で、「どうすれば誰もが生きがいを持って日々を生きられるようになるだろうか?」という難解な課題に果敢に取り組んだ結果、ワークショップは非常に盛り上がり、参加者達がお互いに刺激し合いながら、様々なアイデアが生まれ、大変有意義なイベントになったと感じました。魅力的な提案をまとめ上げたみなさま、お疲れ様でした。取材していた私も元気を頂きました。ありがとうございました。
ワークショップの終わった後で、ファシリテーションを担って下さったSHIBUYA QWSの加藤さんに伺ったところ、デザイナー達の手慣れた作業ぶりを高く評価して下さいました。私もデザイナーが人々の生活をよりよい方向に導くイノベーションに寄与できる可能性を増々感じることができました。一方でアイデアを実装するための困難さも良く耳にするところです。実際にアイデアを実装するためには、プロトタイプを使ってトライアルを実施し、そこから問題点をフィードバックしてプロトタイプを改良する過程が必要となってきます。私たちインハウスデザイナーはプロトタイプを改良する経験も豊富に持っているので、やはり社会実装までのフローを経て完成度の高いエコシステムを作り上げて行くことが肝心なのだと感じています。今後のJEITAの活動で、是非取組んで頂きたいテーマの一つだと思っています。
開催から時間が経過してしまいましたが、企画・運営チームの皆様ありがとうございました。
また、SHIBUYA QWSの皆様、当日のワークショップ参加も含めて多大なるご協力に感謝申し上げます。
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【コラム】デザイナーが模索するエコシステム |JEITAデザイン委員会|note
JEITAデザイン委員会に関する問い合わせ
一般社団法人 電子情報技術産業協会
事業戦略本部 市場創生部 志村・関・飯野
デザイン委員会|JEITA
2022年度JEITAデザイン委員会参加企業は以下の通り(敬称略)
OKIプロサーブ、オムロンヘルスケア、キヤノン、コニカミノルタ、JVCケンウッド・デザイン、シャープ、セイコーエプソン、ソニーグループ、TOTO、東芝、ニコン、NEC、東芝テック、パイオニア、パナソニック、日立製作所、富士通、富士電機、富士フイルム、富士フイルムビジネスイノベーション、三菱電機、リコー、レノボ・ジャパン