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小説 AIは夕焼けに感動をするか?

城山は雑居ビルの屋上で夕焼けを見ながら呟いた。
「人工知能のAIは人間の会話を超えるインパクトを創り出せるか?」
それを横で聞いていたサトミが言った。
「みんなで英国の孤独相の話題を話していた。それをスミスは遮って、社会人ニートの社会復帰を目指すニート達の共同生活の話を始めた。アノニマス(仮名)は話題を変えるなと喚き散らしていた。マサチューセッツ(仮名)に至ってはキレ気味で机を叩いて、天板を壊した。あれは傑作だった。」
城山はその後に起きた出来事を今でも良く覚えてる。
マサチューセッツが机を割って痛めた右手に包帯を蒔いていた。その右手をさすりながら「面白かっただろ。またやろうぜ。」とロビーを通り過ぎて玄関から出ていった。タクヤにはその背中が普段よりも大きく見えた。
「AIは前例を元に判断する。バグを起こしたらお払い箱だ。人間は時に錯乱しながら混乱した行動をする。それが味になり、印象に残る。」とタクヤは言った。
「AIは新しい何かを創り出しているようで過去の出来事の模倣である」。それが二人が出した結論だった。


#小説


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