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10月13日、ジェフのプラチナプレーヤーパーティーを欠席して、Kアリーナ横浜に行った件(後編)

10月13日、僕はフクダ電子アリーナのVIPルームではなく、Kアリーナ横浜にいました。
ジェフユナイテッド市原・千葉のプラチナプレーヤーパーティーを欠席してまで参加したのは、Adoのアリーナツアー「モナ・リザの横顔」の千秋楽公演でした。

(文中、敬称略)


Adoの2024年

2024年はAdoにとって、走り続けた年でした。(まだ終わっていませんが)
2月~4月上旬は、自身初のワールドツアー「Wish」で世界をめぐり、帰国早々の4月27日、28日には、国立競技場スペシャルライブ「心臓」2daysを敢行。
そして7月~10月は、アリーナツアー「モナ・リザの横顔」で全国9都市をめぐる。(Ado自身の新型コロナ感染により、愛知公演は12月に振替となってしまいましたが)

振替公演は残しているものの、一応の千秋楽を迎え、ネタバレは解禁。
Ado自身もオフィシャルファンサイトで、ツアーの感想や想いを綴っていますね。
その中で、「あのバンド」をカバーしたことについて、「権力を持つことが出来た中学2年生みたいな衝動でイタタ」と自虐的につづっています。
好きなものとコラボできる立場になった時に「好き」を抑えきれずに行動を起こしてしまったところは、ジェフからお声がけいただいた途端にスポンサーになってしまった僕には、すごく共感できるところでした。

「心臓」から「モナ・リザの横顔」へ

僕がAdoのライブに参加するのは、4月27日、28日の国立競技場スペシャルライブ「心臓」2days以来のこと。
「心臓」と「モナ・リザの横顔」のセットリストから感じたことを、少し綴ってみたいと思います。
ライブに3回しか参加したことがない、初心者Ado民の個人的感想ですので、見当違いなことを書いてしまうかもしれませんが、ご笑納ください。

「心臓」のセットリスト

「心臓」キービジュアル

◆本編
1.うっせぇわ
2.Tot Musica
3.ラッキー・ブルート
4.ドメスティックでバイオレンス
5.愛して愛して愛して
6.過学習
7.マザーランド
8.ギラギラ
9.永遠のあくる日
10.私は最強
11.レディメイド
12.クラクラ
13.ショコラカタブラ
14.Value
15.Hello Signals
16.いばら
17.唱
18.踊
 MC
19.新時代
◆アンコール
20.DIGNITY(スペシャルゲスト・B'z 松本孝弘)
21.行方知れず
22.逆光
23.FREEDOM
 MC
24.桜日和とタイムマシン(スペシャルゲスト・初音ミク)
 MC
25.心という名の不可解

MCは終盤に3回のみ。
あとは曲間に短い暗転をはさむだけで、計25曲を歌い踊り続けるという構成。(しかも、がなり多め)
あらためてAdoのタフさ、喉の強さに驚かされますね。

「心臓」の時点では2ndアルバム「残夢」は発売前であり、セットリスト25曲中10曲が1stアルバム「狂言」から、4曲がミニアルバム「ウタの歌」から選ばれています。

オープニングは、世間に強烈なインパクトを与えたデビュー曲「うっせぇわ」
そして本編のトリは、Adoに対する世間のイメージを変え、新たなファンを獲得し、世界につながるきっかけとなった「新時代」
この構成は、デビューからここに至るまでのAdoの道程を表現しているように感じました。

そして大トリは「心という名の不可解」
あの日国立競技場に集まった人の多くが、この曲が「心臓」のテーマ曲だと感じたのではないでしょうか。

僕もそう感じたのですが、同時に「心臓」にはもう一つのテーマ曲があったとも考えています。
それは「私は最強」

「私は最強」の中に、「いつかの夢が 私の心臓」という歌詞があります。
「歌い手になる」「あこがれの地でライブをやる」といった「いつかの夢=心臓」を叶えてきたことが、「心臓」のセットリストに表現されているのではないか。

Adoは「心臓」のMCでも「歌い手とボーカロイドは私の『心臓』で、かけがえのない存在です」と言っているし、過去のインタビューで「Adoにとって歌とは?」という質問に、「心臓」と答えていたように思います。
(そんな記憶があるのですが、いろいろ検索してもそのインタビュー記事は出てきませんでした…)

大事に抱えてきた「いつかの夢」と、大好きな「歌」というAdoにとっての「心臓」
その想いをめいっぱい詰め込んだのが、国立競技場スペシャルライブ「心臓」2daysだったのではないかと考えています。

終演後の国立競技場

「モナ・リザの横顔」(千秋楽公演)のセットリスト

「モナ・リザの横顔」キービジュアル

◆本編
1.心という名の不可解
2.逆光
3.唱
4.ウタカタララバイ
5.リベリオン
6.過学習
7.会いたくて
8.フェイキング・オブ・コメディ
9.ハングリーニコル
10.MIRROR
11.ルル
12.アタシは問題作
13.クラクラ
14.ショコラカタブラ
15.抜け空
16.夜のピエロ
17.オールナイトレディオ
18.Value
19.立ち入り禁止
20.0
 MC
21.FREEDOM
◆アンコール
22.Hello Signals
23.あのバンド
24.向日葵
 MC
25.初夏

こちらはセットリスト25曲中12曲が2ndアルバム「残夢」から選ばれているほか、アルバム未収録曲が6曲入っており、「心臓」のセットリストとはだいぶ異なります。

オープニングに「心という名の不可解」を持ってくることで、「心臓」からの繋がりを表しつつ、デビュー曲「うっせぇわ」と大ヒット曲「新時代」を外すことで、これまでとの違いをはっきりと示しているように感じます。

「モナ・リザの横顔」というツアータイトルには、「誰も見たことがない新しい姿」という意味が込められているそうです。
誰もが知る名画「モナ・リザ」には正面の顔が描かれており、現代の誰一人、その横顔を見たことはない。
このツアーでは今まで見たことのない新しいAdoの姿を見せたい。
セットリストがこのような構成になったのには、そういった想いが込められているのでしょう。

「新しい姿」と言えば、アンコールではギター演奏を披露していましたね。
明転した時に迫力のあるギターソロを弾く人物が登場したので、「心臓」の時のようにスペシャルゲストが来たのかと思ったのですが、まさかのAdoご本人。
まさに「新しい姿」で、衝撃でした。

そして、大トリはAdo自らが作詞・作曲した「初夏」を披露。
「新しい姿」を示すとともに、「ギターを弾けるようになりたい」「自分で曲を書きたい」という「いつかの夢」を叶えている。

こう気づいた時に、「心臓」と「モナ・リザの横顔」が、一つの流れとして完全につながったように感じました。

終演後のKアリーナ横浜

AdoのMCを聞くと、なぜソワソワむずむずするのだろう?

セットリストのことだけで2,500字を超えたので、ここで終わらせておいた方がきれいにまとまるかなとも思ったのですが…
もう一つ、気になることが。

「心臓」「モナ・リザの横顔」とライブに参加して気付いたのが、「AdoのMCを聞いている時、僕はソワソワむずむずしている」ということ。
なかなか面白い現象なので、なぜ僕はソワソワむずむずしたのかという内省を含め、もう少し書き進めまてみます。

「心臓」ではフリフラでしたが、「モナ・リザの横顔」ではペンライトが大活躍

Adoへのシンパシー(共感)

まず大前提として言えることは、僕はAdoのファンであり、Adoにシンパシー(共感)を感じているということ。

ROCKIN'ON JAPAN 2023年1月号をはじめ、Adoのインタビューを読んだり、発言を拾っていったりすると、彼女のこれまでの人生と内面の変化が浮かび上がってきます。

親の愛を受けて育ち、ディズニーに憧れ、「私はプリンセス」と無邪気な全能感に包まれていた幼少期。
小学校に上がり、集団の中に身を置いた時のカルチャーショック、自信喪失、自己肯定感の低下。
自分の「好き」を見つけて、オタク気質で突き詰めていく中高生時代。
でも、なりたい自分とこうある自分のギャップに葛藤し、自己肯定感はなかなか上がらず、動画の中の自分の姿を認められず悶絶する。

そんなAdoの姿は同年代や思春期世代の共感を呼んでいるようですが、かつて思春期を経験し、その残滓(ざんし)を抱えているおじさん世代にも共感できるところがたくさんあるんですよね。

思春期の残滓

幼少期はなんにでもなれるような気がしていた。両親は怒ると怖かったけど、守られている感覚はあった。
小学生の時に進学校に転校してカルチャーショックを受け、集団になじめず、本の虫になって物語の世界に没頭することで自分を保っていた。
今でこそ「サッカー大好き」「ジェフ! ジェフ! ジェフ!」の僕だけど、中高生時代はオタク気質で別の「好き」を突き詰めていた。
そういえば、中高生時代は、鏡の中の自分の姿を見るのが大嫌いだったな。
(自分語りです)

AdoのMCを聞くとソワソワむずむずするのは、そんな思春期の残滓が僕の中でうずくからかもしれない。

向上心のまぶしさ

ソワソワむずむずにもうひとつ理由があるとすれば、Adoの向上心のまぶしさでしょうか。

「日本のアーティストや歌い手が、まだ誰もやったことのない規模のワールドツアーを行うと誓いましたし、私はもっと、世界を目指すつもりです」と宣言するAdo。

社会にもまれて、他人と自分を比べて「あの人にはかなわない」という経験を重ねるうちに、「自分の限界はこのくらいかな」と見積もってしまっていた僕。

一つの夢を叶えても、常に自分の最高を更新していこうと次の高みを目指すAdoの向上心は、僕にはまぶしすぎて、ソワソワむずむずしてしまう。

Adoとウタ

「誰かの人生の脇役でありたい」「誰かに必要とされる存在でありたい」と願い続け、世界を目指すAdo。
「モナ・リザの横顔」のMCを聞いていた時、僕の中でその姿がウタと被ったんですよね。
(ちょうど千秋楽の日に、ONE PIECE FILM REDの地上波放送が行われていたからかもしれませんが…)
「みんなのために歌わなきゃ」「私が世界を救うんだ」との想いで悲しい結末へと突き進んでいってしまったウタの姿を重ねてしまい、ちょっとだけ不吉な感じが。

でも、Adoがオフィシャルファンサイトで「あのバンド」をカバーしたことについて、「権力を持つことが出来た中学2年生みたいな衝動でイタタ」「趣味嗜好丸出しヒューマン」と綴っているのを見て、自分が感じたことは杞憂だと思いました。
この人は今もオタク気質で「好き」を突き詰めている。
「好き」を突き詰めることを忘れない限り、Adoは大丈夫だと。

「心臓」も「モナ・リザの横顔」も、Adoみくじは大吉でした

おわりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ここに書いたことは、あくまで個人的感想であり、精神科医としての分析ではありません。
僕がAdoのファンである時点で客観性が担保されていないので、僕にはAdoを精神科医として分析することはできません。
一個人の感想としてご理解いただければ幸いです。

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