私、就職しません。

私は、大学4年生になってから就職活動を開始した。医療福祉系の分野は人手不足のため、すぐに就職先が決まった。

一方で私の姉は、全く就職先が決まらなかった。姉は、自分のやりたいことしかしたくないタイプのため、就職活動でも苦戦していた。しかし、最終的に自分が心からこの仕事がしたいと思えるところに採用されていた。

ただただすごいとしか言いようがない。

そんな姉を見ていると、自分は流れに任せて就職先を決めてしまったのかな。このままで大丈夫かな。疑問が湧いてきた。

なんとなくの疑問が日に日に大きくなった。

私は何がしたいのだろう。私が思う人生における価値とは?

今の自分を子どもの頃の自分が見ると、きっとこう言われるだろう。

「お姉ちゃんキラキラしてないね」

こんなことを思い始めてしまい、自分が納得して選んだはずの就職先に対する思いが日に日に無くなっていった。

就職しないと決めて真っ先にしたいなと思ったこと、それは、医学部受験だ。

今までの人生を振り返ってみて、何がしたいか考えた時の答えが医学部受験だった。猛勉強して医学部に受かり、お医者さんになる経験が人生の中にあるとキラキラした自分になれそうだ。なんとなく直感的にそう思った。これが一番の理由ではもちろんないが、医学部に入るまでは身バレしたくないため、この辺で留めておくことにする。

今の自分の能力からすると、医学部に受かるまでは3年かかる。そして医学部入学後、6年間勉強し、3年間は研修医として働き終えてから、晴れて医者として働けるようになる。来年から受験勉強に取り組むとすると、医者になるまで12年の道のりになる。順調にいけばの話だ。12年となると、私の年齢的には子供が2人くらいいそうな年齢になる。こう考えると、お医者さんの道を選ぶことで、順調に就職、結婚し、子供を産むみたいな、子供の頃からのなんとなく憧れを抱いてきたあったかい家庭的な道を歩める可能性がなくなる気がして怖くなった。でも、就職したからと言ってあったかい家庭を一緒に築いていきたいと思える人に出会える保証はない。とか色々と考えが巡った。

迷ったが、結局、お医者さんになる道を選んだ。この道が自分が生きたかった道なんだと思って死を迎えられる人になりたい。

道のりは険しすぎるかもしれない。どれくらい険しいのか分からないから、すごく不安で怖いとも思う。でも、それを遥かに上回る好奇心、やってみようというやる気がある。この経験を通して乗り越えたい過去もある。

私の人生を賭けた挑戦。楽しみでしかない。


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