香りのデザイン ~デザインの言語化~
こんにちは、Usako(@Usako_J_T)です。
在宅でイラストやロゴ、デザインの仕事をしています。
今、わたしが入っている、「まるみデザインファーム」というコミュニティで「言語化祭り」というデザインについて言語化するイベントが行われているので、参加させて頂きました。
今回は、「香りのデザイン」について、私の好きな香水のお店(通販)「武蔵野ワークス」さんの香水を元に記事を書きました。
1 武蔵野ワークスさんの香り
武蔵野ワークスさんの香りに初めて出会ったのは、ある年の春の終わりの季節、「沈丁花」の香りを探していた時でした。
その年の春に体験した「沈丁花の香り」とともにあった思い出や記憶を大切に取っておきたくて、この香りを探していました。
武蔵野ワークスさんの香水は他の香水と違って、より生の花のような印象を受けます。そして着けると、周りの空気にほんのりと色がつくような、色の細かい霧を纏うような、そんな印象を受けました。
沈丁花は以下のように香りが変化するようですが、私はネロリを少し感じた後、すぐに沈丁花を感じました。
香りの変化は、人の体質や体温によって多様だそうです。
(※ノートについては武蔵野ワークスさんのサイトから引用)
香りの変化
トップノート:ローズウッド、ネロリ、レモン etc.
ミドルノート:沈丁花、ローズ、ジャスミン etc.
ボトムノート:沈香、ムスク etc.
凛とした白さの中に、少し紅をさしたようなそんな色のイメージの香り。
沈丁花のもつ不思議な、切なさや懐かしさを感じさせる花の香り、を感じさせる香水でした。
それから、すっかり武蔵野ワークスさんに魅了されてしまい、ミニサイズの香水で色々な花の香りを少しずつ試しています。
金木犀や桜、睡蓮etc… 香りを楽しむ毎日の”お楽しみ”の時間です。
2 武蔵野ワークスさんのデザイン
2-1 ロゴデザインについて(個人的考察)
Musashino Works さんの”MとW”を組み合わせたロゴと思います。
シンプルで洗練された形、また少し上辺と下辺が湾曲している形は香水瓶を感じさせます。
二つの同じ形が上下でリピートされている形は、「循環」も感じさせます。
武蔵野ワークスさんが大切にされている、人と自然の調和にもつながる思い、ととらえました。
そのロゴと「MUSASHINO WORKS」のテキストが温かみを感じさせるペパーミントグリーンを背景に配置されています。Times New Roman のようなフォントは、可読性が優れ、上品で誠実なイメージを与えています。
2-2 エンボス加工のような背景
武蔵野ワークスさんの香水の箱の背景や、ウェブサイトの背景に、エンボス加工のような背景(下図、引用)がされていて、その背景に木のシルエットが描かれています。
また「和の香水 FLORAL 4 SEASONS EAU DE PARFUM」の文字に、白い光のシャドウを薄くかけることで、ふんわりと優しく文字が浮かび上がっている印象を与えます。
2-3 付属しているもののデザイン
武蔵野ワークスさんで香水を買うと(通販)、素敵な箱とプレゼント用の袋、水彩画の描かれたつるつるした紙が付属してついてきます。(下図)
この白黒の水彩画も自然を感じさせる優しい雰囲気で、世界観と合っていると思います。一つ一つの付属品が武蔵野ワークスさんの世界観を作っているような、そんな印象を感じます。
また「SDGs」の観点から、プラ緩衝材を削減するために木綿布を使用されています。これは、ありがたく写真を撮るときの白い布、お皿をふく、小物にかけてほこりよけ、に使わせていただいております。
(今度、一度この記事で藍染をしたいと思っています。)
3 組み合わせの香りのデザイン
これは推奨されていない使い方かもしれないのですが、私は武蔵野ワークさんの香水を組み合わせて使うことがあります。
例えば左手首に、「ヘルシンキ」という森林を感じさせる香りをつけたら、右手首に「スズラン」のお花の香りをつける、という使い方です。
これは以前、twitterでお見かけしたベテランデザイナーのオオツキチヒロさんが、「BYREDO」というスウェーデンの香水を組み合わせて使っている、という発想からアイディアをいただきました☺️(「BYREDO」は、よそゆきでチューリップを時々使います^^)
周りの空気をデザインしていく感覚で、つけています。(デザイン…できているのかな???)
(静かな森林にお花を咲かせるイメージです。)
4 時間デザイン、空間デザイン
普段、デザインというと視覚的なデザインを考えてしまうのですが、時間や空間もデザインと関係があるのかもしれないな、と感じました。
「香りが時間によって変化していく」という意味での「時間をデザインすること」と、「香りが広がっていくこと」という意味での「空間をデザインすること」、さらには「ボトルの形やウェブサイト等の付属するもののデザイン」という意味での「視覚的デザイン」まで、その全てを、「香水」という世界は含んでいるのだなと思います。
この記事を書きながら、ふと昔、幼い時に金木犀や沈丁花の花を瓶に詰めて、香水を作ろうとした時のことを思い出しました。(結果は散々でしたが…)
… いつか、デザイナーとして何らかの形で「香りのデザイン」に関われたら嬉しいな、と思います。
そのために日々、毎日、少しずつ、デザインやデザインに関係することを勉強中です。
おまけ
P.S.1
「鬼滅のヤイ◯」で藤の花の香水が武蔵野ワークスさんでも、一時期とても人気だったそうです。
わたしも買って試してみました。
着物を着てつけると似合いそうな香りでした。
わたしには少し上品すぎたのですが、似合う人がつけると… とても上品な色気が出るような香りだな、と思います。
パウダリーな石鹸のような香りです。
P.S.2
昔、バックパッカー一人旅時代、フランスのグラースという香水の都市に行ったことがあります。アクセスが不便なのですが(当時バスが1時間1本)、街全体が香水の街、お話の世界のような小さな街です。
香水を作ることができる施設もあり、そこで出会った調香師のフランス人のマダムはなんと… フランス語の他に日本語とドイツ語も流暢でした。(まだいらっしゃるかな…?)
その時作った香水がまだ残っていて、
なんだか熟成したウィスキーのようになっています…
P.S.3
香りの出てくる小説で最近読んでおすすめなのが、
「透明な夜の香り」千早 茜 (著)
です。(以下、写真、amazonページ引用)
本なのに、香りが漂ってくるような本です。
ミステリー要素があり、一気読みしたい気持ちを抑えながら、一章ずつ大切に読みました。お料理の描写もとても美味しそうで、ハーブ料理や金木犀のジュレは作ってみたいと思いました。
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