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「口論相手からメールが来た」

ジャンさんへ

 口論した相手が、メールでいろいろと書いてくる。
わたしが卒業したフランスのソルボンヌ大学の方が、日本の学部生より専門性は非常にありましたよ。ロランバルトだってソルボンヌ卒ですからね。
 ご自分が獨協大学英文科というFランク落ちした大学のくせして言わないで欲しいなあ。わたしは、日本では東京都立大学人文科大学院卒業です。
 上智大学の教授職にもなっています。
 あなたには、バルトのエクリチュールとテクスト論が分からないんだよ。
 毎日、工場か、作業所、精神障碍者手帳をもらっているんでしょう。
 誰も相手にしないから。
 あなたの腐ったような三島研究は?

たとえジャンさんがほんとうにパリ大学でなにかを学ばれたとしても、しかし文学についてはせいぜい学部の授業を受けた程度でしょ。なぜなら、ジャンさんがどれだけバルトだろうがなんだろうがを語っても、その水準では日本の大学の卒業論文さえも通らないでしょう。なぜって、(失礼ながら)ジャンさんのお書きになる文章は猿知恵自慢のchatGPTでも書けるようなしろもの、ジャンさんならではの独自の視点もない。また、ジャンさんがお書きになる文学エッセイも、けっして日本の文学雑誌4誌に掲載されうる水準に達していません。ジャンさんがいくら見栄を張ろうとも、文章は残酷にジャンさんのバラック仕立ての知性と教養の程度を明らかにしてしまいます。お気の毒だけれど、現実ってそういうものなんですよ。

この現実を見つめるのは、ジャンさんにとってさぞや辛いことでしょうが、どれだけ辛かろうとも、これが現実なんですよ。どうぞ、ジャンさんはご自分がよーくご存じなことをお書きになってくださいな。それがなにかを探すことから、執筆修行ははじまります。もちろん一朝一夕にできることではありません。ジャンさんは知ったかぶりの半可通でバルトについてお書きになるよりも、どうぞ、ラーメンでも召し上がって鳴門巻きでも眺めてみてはどうかしら? そのときジャンさんは徳島県への旅に誘惑されるやもしれません。バルトよりも鳴門でしょ。海は偉大です。ジャンさんが語るところの知ったかぶりのバルトよりもよほど。


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