「かわいい緑のにおい」
空が薄青く、雲がほとんど見えない、日差しが優しく差し込む中、二人で公園の椅子に腰かけていた。
お互いの膝が触れたり、当たったりするぐらいの距離で向かい合っていた。
彼女は、麦わら帽子をかぶり、しろのノースリーブのシャツに、ローライズのデニムだった。ウエストのくびれやおへそが色っぽく見えた。さらに、ローライズデニムなので下着のパンツがぎりぎり見えそうだったり見えなかったりと、その時の姿勢で変わった。わたしは、いつもと同じで青いボタンシャツの裾を出し、黒のデニムにスニーカーだった。二人とも軽装であった。
彼女が言う。
「あなた、わたしのあそこばかり見て、やりたいの? 」
それを聴き、
「えっ」
というと、
「わたしの胸やウエスト、おへそ、股間の当たりをなめまわすようにしてみているじゃない、視線はウソをつかないわよ」
「そうだね、言うとおりだよ。魅力的で、かわいいなって」
「隣に座りなさいよ、チェックしてあげるから」
「何をしらべるんだよ」
「こわいのね、バレちゃうのが」
「いいよ、隣に座るよ」
そういって彼は彼女の隣に座った。彼女は、彼の腿の付け根の方を触った。 「おいおい」
彼がそういっても彼女は止めない。
「気持ちいいでしょう、ももの付け根の当たりを触られると。大切なとこまで指が届いてしまいそうね。ここも触っちゃおうかしら? 大きくなっていたら恥ずかしいわよね。何もしていないのに、わたしの体を見て厭らしいことを想像していたということでしょう? オナニーしているときと同じじゃない」
「よくいってくれたな。やりたいのか、いいよ。あそこのビルの陰にある薄暗い木でできた小屋へ行こう。ビルの施設の道具とかがしまってあるように思えるな」
「あなたのお部屋がいいわ」
「今日はダメだよ」
と、ニヤリとしていった。
「すごいや、ここは、廃墟だな、全く使っていなかったみたいだ。
こんな廃墟の小屋でも、ところどろこに光を浴びながら雑草が美しく生えているじゃないか。緑だよね」そう彼は言った。
「誰にも見られるつもりじゃなかった雑草たちね。かわいいわ。この雑草の上に横にならない? 」
そういって、彼女は彼を誘い、二人して仲良く寝転んだ。
手をつなぎながら、ふと、目と目が合う。
彼が言う、
「緑のにおいがするねって。本来なら、誰も見たり触れたりにおいをかいだりしない雑草、緑なんだよ、緑はよろこんでいるのかな」っていう。
彼女は、
「あなたが、今日、偶然にも誘ってくれた朽ち落ちた廃墟の中でのデートは最高よ」
そういって、彼女は優しく彼の頬にキスしてきた。
彼女は、彼に強く胸を押し当てるようにしてキスしてくる。彼は、強く彼女を抱きしめ、臭いをかぐ。そして、彼女のウエスト、ヒップへと手がまさぐるように伸びる。彼女は、それに応えるかのように、彼が強く触ることができるように、彼の動きに合わせて、体を動かす。
彼が上になり、彼女は彼の下になる。
彼の背に廃墟へ入り込んできた光が当たるのが分かる。彼女の体のところどころへ光が当たる。彼の前の姿にだけ光が当たらず、暗く、少し怖いようなイメージする。
しかし、その怖さは緑のにおいで、打ち消される。
彼は、彼女のタンクトップをメクリあげ、ブラの上から愛撫する。
そして、彼女のデニムパンツのジッパーを下ろし、下着の上から股間へと触る。黒い毛が見え濡れている。
きっと、キスで感じたのだろう。
彼女が言う、
「わたし、濡れていることは自分でわかるの、わたしの濡らせてくれたのは、あなたが背に光を浴びた時の怖い暗い顔と前の姿、それと緑がかわいいにおいなのよ」
「その緑のかわいらしさが、あなたみたいなの。そうかと思うと暗いあなたの全面が怖くて、その両者がね、わたしの心の中で波打つようだったの」
「ゆっくり、目をつぶろう」
静かに時が過ぎていく。緑のにおいの漂い。
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