元海運トップ企業の社員がコンサルタントになるために東大発AIベンチャーに入社した話
初めまして。JSDCの物流ユニットにて海事領域のコンサルタントをしております藤原と申します。
「海運」という一般の方からすると馴染みの無い黒子のような業界出身ということもあり、表立って世間に何かを発信するというのは今回が初めての試みとなります。
JDSCに転職して半年が経とうとしている私が、入社前の気持ちや、転職のきっかけ、今思っていることなどを正直にお伝えしたく、記事を記させていただきます。
読みづらい部分も多々あるかとは存じますが、等身大で書かせていただきますので、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
まず、なによりも先んじてお伝えしたいのは、入社前の私は、JDSCについて「東大!京大!コンサル!怖い!」と感じていたことをご承知おきください。
その辺りの話も自己紹介を交えながら、記させていただけたらと思います。
自己紹介
新卒でMSC MEDITERRANEAN SHIPPING COMPANY S.A.という海運会社に入社をしました。スイスに本社を置くコンテナ船の船会社で、現在では世界第一位の規模となり、その成長を肌身に感じながら働くことができたのは非常に良い経験でした。
入社してからの6年間で戦略企画から法人営業、貿易実務など上流から下流まで網羅的に業務経験を積ませていただき、物流業界全体の中で海事領域が担う役割の重要性を認識できたと思っています。
JDSC入社後は、三井物産様他との合弁会社seawise株式会社の事業や、その他物流領域における課題解決に微力ながら関わらせていただいております。
転職のきっかけ
実は前職に特段大きな不満は無く、手前味噌ですが社内では良いレールに乗せていただけていたなという自負があります。
ニッチな業界ですが、ある程度名が通っていた企業ということもあり、安定志向な自分は定年まで在籍するという人生も十二分にあったと思います。
仕事内容も面白いと感じており、世界中のモノの動きが見えるので、「今何が世の中で求められているのか」が目に見えて分かるのが前職の面白さだったと思います。
また、為替や燃料、各国の規制変更、現地の情勢などの影響をダイレクトに受ける業界なので、これだけの規模でできる仕事なんて他に無いなとすら感じていました。
そんな中でも、転職を考えるきっかけになったのは「物流業界におけるデジタル化への課題感」です。日々業務を行う中で、『物流業界ってなんてアナログなんだ...』『この作業って本当に時間をかけて人がやる必要があるのか』と毎日のように思っていました。
新しいシステムが導入されたとしても、1企業単位では問題は全く解決されておらず、結局各社や現場との連携のためにデータや情報を人力で変換する必要が出てくるなど、一体何の課題が解決できたのか分からないような状況です(恐らく物流業界出身の方は頭を大きく縦に振ってくださっているのではと思っております)。
その課題を抜本的に解決するためには、業界全体を変えていかないといけないなと私個人漠然と感じており、取引先との商談でもよく話題に上がるほど業界全体の共通課題感となっていました。
そして、何か変えようと思っても自社の手の内でしか改善案を出すことができない、そんなモヤモヤした気持ちが転職を決意した理由でした。
転職活動を始めた当初は、大企業に勤めていたこともあり自身の経験が生かせる大企業を候補として探していましたが、転職エージェントの方から、より広い視野で様々な会社を見ていただくことを勧めていただき、いくつか提案いただいた中にJDSCがありました。
英字だったこともあり、外資系企業かなと思い調べたところ、大層な肩書を持たれた方が多く載ったホームページに辿り着きました。
そこで思ったことは「東大!京大!コンサル!怖い!」と相当気後れしていたのを鮮明に覚えています。
そこから更に少し調べてみると、”海事産業の各種課題をAI技術で解決する”というプレスリリースを見つけ、自分の興味分野への積極的な取り組みを知り、興味を持ちました。1企業単位を良くするわけではなく、業界全体を良くしていくことでUPGRADE JAPANを達成するというミッションに共感し、ここなら自分のやりたいことができるのではと思いエントリーを決めました。
面接
ミッションや事業には共感したものの、大した学歴も無い自分としては、『こんなに優秀な人が集まっている凄い会社はきっと自分には興味無いだろうけど、ダメ元だな』と思って応募をしていました。ところが書類選考も難なく通過し、驚く間も無く一次面接の日程が決まりました。
採用プロセスは、当社の筒井(seawise代表)、そして取締役 吉井が最終面接者でした。面接フローの中で印象的だったのは、筒井との第一面接の中で志望理由や動機はもちろんなのですが、海運業界のことを沢山質問されたことです。質問されたというと、固い面接をイメージされるとは思いますが、全くそうではなく単純に分からない部分があるから知りたいという温度感だったと感じています。
その中には初歩的な質問も多々あり、『こんなに優秀な人でも自分の方が知っていることがあるんだな』と素直に思い、自分の知識や経験がJDSCの力になれるかもしれないと考えることができました。
幸いにもご縁をいただいたことから2023年3月1日にJDSCに入社をしました。
入社後に感じたギャップ
入社後に最初に感じたギャップは、すごく良い意味で”思っていた何倍も人間臭い会社だった”なと思います。
正直最初は『論理的に話せないとコミュニケーション取れないんじゃないか』と思っていましたし、『脳みその構造が違い過ぎて、同じ言語で意思疎通が取れるのかな』と不安でした。そして現在、先入観って本当に良くないなと猛省しております。
同世代の方々を筆頭に非常にフレンドリーに迎えていただき、若手として馴染みやすいように環境を整えてくださったなと感じています。
一方で、本当に優秀な方々が沢山在籍しているという点は全くギャップがなかったと感じており、その物事の考え方や見方などを伝えていただけるからこそ自身の成長もあるなと感じています。
今取り組んでいること
自己紹介でも記載させていただきましたが、三井物産様他との合弁会社seawise株式会社の事業を中心に携わらせていただいております。
実は入社初日から広島に出張をしており、大企業に染まっていた自分としては相当の衝撃だったのを覚えています。客先へのご挨拶を兼ねての出張だったのですが、自分の上司を含めて全員が初対面という非常に稀なシチュエーションだったこともあり、良い経験をさせていただいたなと感じています。
急な動きに動揺していた一方で、JDSCが今やっている事業への本気度とスピード感をビシビシ感じる機会となりました。まだ道半ばということもありプレスリリースなどで伝わるものが少ない点は課題としてあると思いますが、日本の海事業界が良くなる一手になるのではと月並みながらワクワクして仕事に取り組んでおります。
伝えたいこと
ここまでお付き合いいただいた方に伝えたいことは、”自分が思っている以上にあなたの専門性には価値がある”ということです。その業界の中にいると、当たり前過ぎて価値を認識できないことはあると思っており、外部の方と話をしてみる場を設けることは凄く大事だなと私自身学びました。
いま、JDSCとしても専門家の獲得に本気だなと感じています。恐らく弊社へのエントリーは、最初のハードルが一番高いのではと思っています。
私自身を反面教師としていただき、まずは気軽に社風とか見てみようかなと1歩を踏み出してみることも大事かもしれません。
「ご自身の専門性をもって課題を解決したい」「日本全体をUPGRADEして、少しでも良い未来にしたい」という思いに共感する方々と共に働けたら非常に嬉しいです。