暗号通貨への投資はスタートアップ企業への投資でもある、という話
暗号資産はリスキーな投資商品というイメージがあるのですが、株式のようなものでもあります。
ビットコイン
ビットコインは政府がなくても世界のみんなでお金がやり取りできるインターネット上の新しいお金を目指して作られました。
政府が責任を持つんじゃなくて、世の中のみんながパソコンを持ち寄ってシステムを運用することで、安全で便利なお金を作るんだ、という取り組みだったんです。
それがブロックチェーンという仕組みです。
ブロックチェーンといいう仕組みを安全に運用するために、パソコンで計算してくれる人にはだれでもなれます。そして参加して運営に協力してくれた人にはお礼を支払うよ、という仕組みも用意されました。
それがノード運営という仕組みです。有名なのがビットコインのマイニングですね。
昔はおうちのパソコンでもできたのですが、いまは専用マシンを用意してがりがり計算します。マイニングだけやっている企業も世界では上場していますので、それなりに認知されるようになりました。
イーサリアム、ソラナ
ブロックチェーンの仕組みを運営するためにはパソコンが必死に計算しないといけません。その計算のやり方を工夫して、計算しなくても正しく運用できる仕組みを作ろう。そのほうがみんな大変じゃないよねという考え方がうまれました。マイニングをはじめとした計算主体の仕組みをPoWというのですが、たくさんポイントをためている偉い人のいうことを多数決で信じようという仕組みがPoSです。
ほかにもいろいろななるべく計算の負荷を減らしてスムーズに素早く取引ができる仕組みを用意する取り組みが進んでいます。
代表的な通貨がイーサリアムとソラナです。
ビットコインをいろいろ改善して交通渋滞しないようにしよう、という取り組みももちろんあるんですが、イーサリアムやソラナはそれよりもずっと 早い方法や仕組みを構築しています。
ビットコインもイーサリアムもソラナも同じ暗号通貨なのですが、違う仕組みで動いているんですね。
2024年現在では、ビットコインを基盤にした仕組みよりもイーサリアムやソラナを基盤にしたやり取りのほうが活発です。
イーサリアム30%、ソラナ50%といわれています。
暗号通貨を使ってなにをやっているの?
イーサリアム(Ethereum)やソラナ(Solana)で暗号通貨をやり取りしている人々は、さまざまな活動を行っています。これらのブロックチェーンプラットフォームは、それぞれ独自の強みと活用事例(ユースケースと表記されることが多いです)を持ち、多くのユーザーに利用されています。以下に、主な活動内容を紹介します。
イーサリアム(Ethereum)
分散型金融(DeFi):
イーサリアムはDeFiアプリケーションの主要なプラットフォームです。ユーザーは借り入れ、貸し付け、ステーキング、流動性提供、合成資産の取引などを行います。例えば、AaveやUniswapなどのプロトコルを利用しています。
参考:What is DeFi?
要は銀行や証券会社がやっている機能をだれでも使えるように基盤として開放しています。これってすごいことで、コピーしたらだれでもできるようになるものが公開されているし、だれでもそこに参加できる仕組みがあるということです。(参加条件に高額な暗号通貨を入れる必要がある場合もあるけれど)
スマートコントラクトの開発:
開発者はスマートコントラクトを利用して、自動化された契約やDApps(分散型アプリケーション)を作成します。これにより、透明で信頼性の高い取引が可能になります。
参考:Smart Contracts on Ethereum
スマートコントラクトということばが出てきました。これは契約を賢く行う仕組みのことです。例えばゲームの中でアイテムを買うとします。これも実は契約で「ぬののふく7Gをゴールドで支払う契約」という契約をゲームの中で管理するわけです。この契約が1万円を1ドル157円と手数料3円とそのやり取りを仲介する取引所の手数料5円で165円で1USDTに換えますという契約を同じレベルで管理できれば、1000ゴールドが1USDTというレートで、実際の経済とゲームの経済がつながりますよね。(もうすこしだけ詳しく説明した記事もご用意していますので、そちらもご確認ください。)
NFT(非代替性トークン):
イーサリアムはNFTマーケットプレイス(例:OpenSea)やアート、音楽、ゲーム内アイテムなどのデジタル資産の取引に広く利用されています。
参考:What are NFTs?
NFTゲームという言葉も一時期はやりましたが、さっきのアイテムがゲームの中でも1個とか数個しかないアイテムと位置付けられていたら、希少価値があがりますよね。ぬののふくはどの布の服でも同じですが、「私の考えた最強のぬののふく」という世界の一つだけのアイテムを管理するための仕組みがNFTです。ほかのものとは代替えできない唯一無二であることを証明するコードを埋め込まれています。
これが結構な高額で取引されていますが、アートは資産運用の一商品というのを如実に表していますね。
ゲーム:
イーサリアムを利用したブロックチェーンゲームも人気です。ユーザーはプレイ・トゥ・アーン(Play-to-Earn)モデルで報酬を得ることができます。例としてAxie Infinityがあります。
参考:Blockchain Games on Ethereum
ソラナ(Solana)
高速トランザクション:
ソラナは高いトランザクション速度と低い手数料で知られています。これにより、迅速な決済や取引が可能となり、DeFiアプリケーションやNFTマーケットプレイスでの利用が増えています。
DeFiアプリケーション:
ソラナ上にも多くのDeFiプロトコルがあります。例として、SerumやRaydiumなどがあり、これらは流動性提供や取引を容易にします。
参考:DeFi on Solana
NFT市場:
ソラナは低手数料と高スループットを活かして、NFTの発行と取引が活発に行われています。SolanartやMagic Edenなどのマーケットプレイスが利用されています。
参考:Solana NFT Marketplaces
ゲームとエンターテインメント:
ソラナもゲーム開発のプラットフォームとして利用されています。Star Atlasなどのプロジェクトがソラナ上で動作しており、プレイヤーに豊富なエンターテインメント体験を提供しています。
参考:Gaming on Solana
この中でユースケースという言葉が出てきましたがゲームだけじゃなくて、生活に役に立つサービスや業務を楽にするアイテムも生まれ始めているんです。
たとえば、GoogleMAPみたいなものを作ろうというプロジェクトに参加して暗号通貨をもらおうとか、みんなの使っていないグラフィックカードを使ってハリウッド映画のCG計算のようなすごい仕事のために貸し出して暗号通貨をもらおう、とか。電柱の写真を撮って、定期点検をみんなでやることで暗号通貨をもらおうという感じです。
こうした新規事業をやるので、暗号通貨をお渡ししますからお金を投資してください。という形でスタートアップ企業がお金を集める仕組みとして、暗号通貨を発行しています。そしてサービス運営に協力してくれた人にも暗号通貨でお礼を渡す仕組みを作っています。
新規事業への投資に暗号通貨が活躍し始めているんですね。
RNDRという銘柄が注目されましたが、今年に入って400%高騰を見せました。ゲーム用に買ったグラフィックカードを貸し出す仕組みで注目されているからですね。
まだまだ事業として成立している完全に新しいスタートアップ企業というのは目立ってはいないのですが、Amazonが赤字で10年以上運営していたりしたように、新規の資金流入があれば手元のキャッシュフローは回ります。創業者もうはうはできます。そしてじっくり生活の不安がなく楽しいサービス開発に取り組めるというわけです。
詐欺的な内容のない取り組みも多い中ではりますが、キチンと実態を持ったサービスは着実に増えていますし、そういったサービスを応援したいという気持ちでアルトコインに投資する人も出始めた状況です。そして一番大事なのは、、そういう状況に自分が参加しやすくなったということです。
未上場の企業に直接投資するという機会なんて、世の中の大半の人にはなかったじゃないですか。それがここ10年で大きく変わってきたわけです。メルカリで余っているビットコインを世の中のだれかのために面白いサービスとして作っている会社に投資しようかという感じで投資できる時代になっているんです。
もっとわかりやすいプラットフォームが必要ですが、投機的な暗号通貨とのかかわり方以外にも、社会とつながる別の形が生まれ始めていることはぜひ知ってほしいなと思います。