西尾正平

■令和3年新たな業務として環境経営のサポートに取組む■1978年3月20日生■B型■京都府舞鶴市と姫路市のの建設会社で現場監督として高速道路や橋梁等の土木工事に約17年間従事。測量・製図のスキルを活かした行政書士事務所を運営。

西尾正平

■令和3年新たな業務として環境経営のサポートに取組む■1978年3月20日生■B型■京都府舞鶴市と姫路市のの建設会社で現場監督として高速道路や橋梁等の土木工事に約17年間従事。測量・製図のスキルを活かした行政書士事務所を運営。

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  • カーボンクレジット

    複雑なカーボンクレジット制度を整理してみようと思います。

  • 環境法令

最近の記事

クレジット創出者のメリット RE100

②RE100達成のために活用引き続いて購入者にとってのメリットです。 まずRE100というのは、2050年までに事業活動で使用する電力を全て再生可能エネルギー(以下「再エネ」という)由来の電力で賄うことをコミットした企業が参加する国際的なイニシアチブです。2022年2月現在、24か国から350社の企業が参加しており、日本においても65社が参加しています。そして参加企業は日々増加しています。 このRE100のために再エネ調達量として報告するためにはクレジットに電力量(MWh

    • Jクレジットのメリット 省エネ法等

      クレジット創出者のメリット GHGの排出削減等をJクレジットとして売却する側(以下「創出者」という)は売却益という経済的メリットがあるのは理解できますが、Jクレジットを購入する側(以下「購入者」という)にはどのようなメリットがあるのでしょうか? そもそも購入者はなぜわざわざお金を出してまでGHG削減加地を買うのでしょうか? それにはいくつかの理由があります。 ①省エネ法の省エネルギー報告や温対法の排出量報告に省エネ法の特定事業者(年間のエネルギー使用量の合計が原油換算で

      • Jクレジット

        Jクレジットの利用者カーボンクレジット制度の中でも今最も注目されているのは何といっても「排出権取引」ではないでしょうか。 GHG(温室効果ガス)の排出削減量等を売買する仕組みです。 その中でもまずは国が運用するJクレジットについて分析していきます。 Jクレジットは、経済産業省、環境省及び農林水産省が管理する制度です。 太陽光発電施設などの再生可能エネルギーの導入や、省エネルギー設備の導入などによるGHGの削減量(t-CO2)や、森林の管理等によるCO2の吸収量がJクレジ

        • カーボンクレジット制度

          カーボンクレジット制度の整理CO2等のGHG(温室効果ガス)の排出削減量を売買したり、排出量に対して税金を課したりする制度のことをカーボンクレジット制度といいます。 世界が脱炭素へと舵を切った現代においては、国際社会においても、日本においても、様々なカーボンクレジット制度があります。 政府主導のものや国家間で運用されるもの、民間の団体で運用されるもの等数多のものがあり複雑化しており、どの制度がどのような性質で実際に利用できるのはどの制度なのか。 自社(自分)に適切な制度は

        マガジン

        • カーボンクレジット
          3本
        • 環境法令
          14本

        記事

          環境法令 その14(公害分野-5)

          先日、夜帰宅すると我が家の庭に甘い芳香が漂っていました。今年もようやくキンモクセイの花が満開になりました。 さて、今回は特に公害関係の法律に散見された「調和条項」について触れていきます。 前回まで見てきたように、高度経済成長期とともに顕在化した公害問題を契機に数々の環境法令が整備されていきました。 その過程で従前より運用されていた環境法令の中に存在した「調和条項」も削除されました。 その調和条項とは一体どんな内容なのか? 1962年制定の「ばい煙規制法」の第1条には次

          環境法令 その14(公害分野-5)

          環境法令 その13(公害分野-4)

          先日、娘の保育所の芋掘りに参加してきました。地元の産業廃棄物処理業者が所有する畑を開放して親子での芋掘り体験の機会を提供してくれるという取組みで、社長以下数名の従業員の方も準備・説明・交通誘導・コミュニケーションを担って頂きました。 産廃業者や産廃施設というとネガティブなイメージを持たれることも多いですが、必要不可欠なものであり、CSR活動などにも積極的に取組まれている素晴らしい会社もあるという事を理解することが大切だと思いました。 少し前置きが長くなりましたが、 今回は熊

          環境法令 その13(公害分野-4)

          環境法令 その12(公害分野-3)

          保留になっていた案件が一気に動き出し、少し事務所内が慌ただしくなってきました。 こういう時に限って新規のお問合せも増えてくるものですね。 ありがたい話です。 今回は四大公害の中から、熊本水俣病について少し掘り下げていきます。 熊本水俣病といえば、教科書でも習ったのでその名称はご存知の方は多いと思います。 熊本水俣病は、熊本県水俣市で操業していたC社(社名は公になっていますがあえてC社としておきます)の工場においてアセトアルデヒドという化学物質を製造する過程で生成されたメ

          環境法令 その12(公害分野-3)

          環境法令 その11(公害分野-2)

          寒い日が続くからか、無性におでんを食べたくなり先週末ついに初めて作ってみました。 大量に作ったので今週はおでん祭になりそうでしたが、母と祖母の家におすそ分けしたので早々に無くなってしまいました。 今回からは「公害に関する法律ができた背景」 について触れていきます。 近代日本で初めて深刻な公害が問題になったのは明治時代の初期に起こった足尾鉱毒事件が有名です。 そこから時は流れて昭和30年代…1950年代後半頃から新潟水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病、熊本水俣病のいわ

          環境法令 その11(公害分野-2)

          環境法令 その10(公害分野-1)

          ここ数カ月、毎日のようにe-Govで法令検索をしていますが、昨日初めて「所管課確認中」という表示がされていました。 遭遇したら願い事が叶うかもしれませんね。 今回からは「公害に関する分野」についてです。 おさらいになりますが、 環境法令は、 ①地球環境に関する分野、 ②公害に関する分野、 ③廃棄物・3Rに関する分野、 ④化学物質等に関する分野、 ⑤生物多様性に関する分野 に大別できるといいました。 前回ようやく①地球環境に関する分野が一旦おわりましたので、 今回からは

          環境法令 その10(公害分野-1)

          環境法令 その9(地球環境分野-6)

          垂直農法というビルで農作物を育てる技術の進歩が目覚しいそうです。数万個のカメラやセンサーでモニタリングしビッグデータを使った機械学習で最適化したり、ペットボトルを再利用したメッシュ生地の上に浮いた状態で育つ空中栽培方式や、AI制御のLED照明が生育に最適な波長の光を当てたり・・・このように様々な分野の最先端技術を融合させることを「コンバージェンス」というそうです。(出典元:2030年すべてが加速する世界に備えよ:ピーター・ディアマンディス&スティーブン・コトラー著) 前回フ

          環境法令 その9(地球環境分野-6)

          環境法令 その8(地球環境分野-5)

          気がつけば10月も下旬に入りました。コップに少し水を入れ今朝食べたブドウの種を入れて発芽するか実験しようとすると、6歳の娘に「そんなん土もないのに出えへんやろ」と笑われました。 娘の思い込みを覆せるか楽しみです。 今回はオゾン層の保護・フロンガスの規制ついて触れていきます。 まずは、2001年に制定されたフロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(以下「フロン排出抑制法」)についてです。(2001年当時の法律名は「フロン回収・破壊法」2013年に全面改正され法律名

          環境法令 その8(地球環境分野-5)

          環境法令 その7(地球環境分野-4)

          週末の雨を境に一気に寒くなるとの予報はその通りとなりましたね。最近の天気予報は時間単位、市町村単位でも予報がかなり正確になりましたね。 さて、今回は世界的な潮流の中における、日本の地球温暖化対策に関連する法律をご紹介します。 まずは、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(以下「省エネ法」) です。 エネルギーの使用量が原油換算値で年間1500kl以上となる特定事業者は、中長期エネルギー使用合理化計画を作成して毎年7月末までに主務大臣に提出する義務があります。 同じく

          環境法令 その7(地球環境分野-4)

          環境法令 その6 (地球環境分野-3)

          noteを復活させてもうすぐ1週間になりますが、未だに使い方がよくわからず、スマートフォンで投稿➡改行が反映されていない➡編集➡全部消える➡PCで書直し・改行➡という苦行を繰り返しています・・・ さて、今回は前回に引続き地球温暖化についてです。 前回、地球温暖化によって引き起こされる深刻な影響を挙げましたが、近年の集中豪雨や夏の異常な暑さ、台風の発生時期や進路等、10年程前とくらべても明らかに気候がおかしいと感じている人が多いのではないでしょうか。 地球温暖化に対する見

          環境法令 その6 (地球環境分野-3)

          環境法令 その5(地球環境分野-2)

          例年この時期には庭のキンモクセイの花が咲き、良い香りが漂っているのですが、今年はまだその兆しが見えていません。剪定の仕方が悪かったのか・・・   さて、今回からは世界が、そして日本が脱炭素社会へむけて動き出した背景について触れていきます。  まずそもそも地球温暖化とは何か? そのメカニズム・科学的側面から見てみましょう。 地球温暖化とは、大気中の温室効果ガス(以下「GHG」という)の濃度が高くなることにより、地球表面の温度が上昇することで、産業革命以降、人類による化石

          環境法令 その5(地球環境分野-2)

          環境法令 その4(地球環境分野-1)

          全身筋肉痛がおさまったと思ったら、一日中背中にギックリ腰の時のような痛みが走り鍼を打ってもらいました。 季節の変わり目を脅威と感じる年齢になって久しいです。   さて、今回は前回①~⑤まで列挙した環境法令の各分野から、①地球環境に関する分野を紐解いていきます。 地球環境ということで、いきなりスケールの大きなテーマですが、日本の環境法令の少なくない部分は国際的な流れの影響を受けているといえます。  地球環境に関する法律の例を挙げてみると、省エネ法、建築物省エネ法、温暖化

          環境法令 その4(地球環境分野-1)

          環境法令 その3(環境基本法)

          この前の日曜日は、コロナの影響を鑑みて、規模を縮小した形での地元の祭でした。例年2日間のところ半日だけの開催でしたが、きっちり全身筋肉痛の西尾です。準備運動せなあきませんね。   さて、今回は環境法令の全体像についてです。まず、環境保全についての基本的な考え方、枠組みを示した「環境基本法」があります。   環境基本法は、「公害対策基本法」と「自然環境保全法」の政策原則部分を取り入れ、1993年に制定された比較的新しい法律です。   この環境基本法では環境保全に関する行政

          環境法令 その3(環境基本法)