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指す将順位戦について

指す将順位戦?

 指す将順位戦は、有志で運営されている将棋のネット棋戦です。
前期成績によってクラス分けされているリーグ戦で、新規参加者は24レートを参考にリーグに加入します。2週に1局のペースで、半年くらいかけてリーグ戦を戦い抜くという息の長い棋戦です。
 連絡用のSNSはTwitter、対局場所は将棋倶楽部24となっており、この2つのアカウントがあれば参加できます。

 参加応募の締め切りは本日4月30日の24時。まだの方は今すぐ登録を。

社会人はいかにして「指す将」たり得るか

 さて、私が指す将順位戦に参加したのは2年前のことです。
 いろいろ生活の変化で余裕が出たこともあって参加させてもらったのですが、以来、私の生活は「指す将」としてたいへん充実することになりました。

 もともとプロ棋戦のモバイル中継を見たり、将棋ウォーズ/将棋クエストでの対局はそこそこやっていたのですが、これは空き時間の気分転換にやるスマホゲームといった感覚で、指す将の活動=将棋プレーヤーとしての実戦という感じがしていませんでした。
 一時期やっていた81道場などでは対局すると感想戦になることもあり、わりと「やってる」感があったのですが、なかなか目標らしいものもないので億劫になっていました。
 リアルでの対局は、社会人になってから職場の後輩なんかと将棋を指したこともありますが、なかなか自分と対等な棋力のライバルというのは出会いにくいものです。
 地域の将棋道場に顔を出しても三段くらいだとなかなか相手がおらず、小学生相手に指導対局をすることのほうが多かったです。
 大阪住みだったのでたまに関西将棋会館道場にいくこともありましたが、なかなか頻繁には通えず、いつも勝敗カードが期限切れになりました。

 学校の将棋部でライバルたちとしのぎを削る学生時代と違って、社会人(あるいはサラリーマン)になってみるとなかなか全力で対局に臨める機会が少なくなると感じます。
 いったいどうすれば社会人が「指す将」としての活動を継続することができるのだろうか、というのは漠然とした悩みでした。ライバルと殴り合うような将棋を指したいけれど、その環境はどこにあるのか。
 そんな経緯で将棋熱が燻っていたので、指す将順位戦にはちょっと気合を入れて臨みました。そして、どハマりしてしまいました。

一局の勝敗に血を滾らせよう

 指す将順位戦に参加して感動したのは、何よりも勝敗がシビアで、リアルの大会に出場した時と同様のひりつくような緊張感が味わえるということでした。
 もちろん人によって緊張の度合いは違うと思いますが、私は2週間に1局というペースが性に合っていたようで、ちょうどいいサイクルでモチベーションを高めて1局1局に集中することができました。

 棋戦の進行とともにリーグ表に勝敗の星が並んでいき、自然と他の参加者の動向も気になったりしてきます。暇なときに何度もWebページを開いてリーグ表を眺めて楽しんでいました。
 しだいに参加者のtwitterでのキャラクターもわかるようになってきたりして、ツイートにいいねするだけくらいのゆるいつながりもできました。
 また、ありがたいことに練習対局の誘いを受けて一部メンバーと指す機会があり、互いに次節の対局を頑張ろうみたいなやりとりもありました。

 密なコミュニティは求めていない私にとって、指す将順位戦の距離感は悪くありません。ただ、その心地良さは単なる距離感の問題ではなくて、参加者の多くが将棋を指すということに対して真面目に向き合って取り組んでいるからなのだろうと思います。
 参加者はリーグ表に書き込まれる自局の勝敗に一喜一憂し、喜んだり反省したり強気になったり落ち込んだり開き直ったり……。
 勝負事としての将棋に対する情熱が溢れています。

 指す将はやはりこうでなくてはいけない、と思います。
 この将棋熱、血が騒ぐというか、たかが将棋の勝敗1つに血を滾らせてしまうというか、これが指す将なのではないかと思います。
 この種の人間は、我慢する必要はありません。社会人はその熱量を発散させる機会が得にくいですが、指す将順位戦に参加すればいいのです。それだけで、2週に1度、天国か地獄かの素晴らしい緊張を味わえます。

仕事に負けるな

 私も、このところちょっと仕事が忙しくなっています。別に時間が増えているというわけではないはずですが、いろいろプレッシャーもあってよく考えなければいけない感じです。
 でも、働く人たちは決して労働のみに人生を捧げてはいけないと、私は考えます。お金は大事ですが、お金だけが人生ではないので、しっかり自分のやりたいことをやって生きるべきです。
 将棋という趣味に精を出すのも、人生の大きな楽しみなので、ここを仕事に奪われてはいけないと思っています。仕事は仕事でしっかりこなしながら、趣味は趣味でしっかり楽しみましょう。

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