河井大買収事件 1億5000万円の解明なしに終結はありえない
河井案里氏の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙、衆院北海道2区、参院長野補選の野党統一候補の3つの勝利は劇的でした。とりわけ「保守王国」と言われる広島での野党の統一候補・宮口治子さんの当選は政界に激変をもたらしているように私には見えます。
河井疑惑をただす会の有志6人が、案里氏は当選無効になったのだから、国は案里氏に支払った4942万円の返還を求めよと東京地裁に訴えました。県民には大規模買収事件に対する批判は強いものがありますが、それに劣らず、雲隠れし説明責任も果たさず、国会議員としての仕事もせず、多額の給料(歳費)を受け取っている克行・案里夫妻への怒りは抑えきれないものがあります。
選挙の結果をみてやっと気づいたのか、自民・公明は有罪が確定した議員の歳費返還ができるようにする法改正へ動き始めました。法改正を手柄に金権選挙「政治とカネ」は終わったことにして、秋までにある総選挙に臨みたい下心が見え見えですね。
今回の大規模買収事件は、自民党本部から河井夫妻に送られた1億5000万円の解明なしに終結はありえません。ところが二階幹事長は5月17日の記者会見で「私は関係していない」と主張、会見に同席した林幹雄幹事長代理は「実質的には当時の選対委員長が担当していた」と話しました。これに当時の選対委員長だった甘利明氏は「1ミクロンも関わっていない」「全く承知していない。事件後の報道で初めて知った」と反論しました。
真相は如何に! 案里氏の選挙では、当時の安倍首相と菅官房長官がテコ入れに懸命だったことは知られています。案里氏の選挙ビラ(うちわ)には、安倍首相、菅官房長官、二階幹事長が仲良く顔を並べています。自民党幹部が責任を押し付け合い、説明責任を果たさないなら、勘ぐっても罪には問われないでしょう。やっぱり安倍、菅、二階の3人で…。(山根岩男)
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