死去で犯した罪は消えるのか 事実に基づく功罪の検証を 安倍氏国葬に異議あり
安倍晋三元首相が参院選の投票日を2日後に控えた7月8日、街頭演説中に銃撃され亡くなりました。民主主義の根幹をなす選挙の最中、言論を暴力で封殺する行為は絶対に許されません。この日、「河井疑惑をただす会」も夕方、街頭宣伝を予定していました。犯人像も元海自隊員というだけではっきりしませんでしたが、暴力に言論の自由が圧殺されることになってはいけない、「(私たちも)気を付けながらやろう」ということで街宣活動を始めましたが、15分ほどで土砂降りの雨になったので切り上げました。
帰ってテレビを見ると案の定というか、どの局も「安倍氏追悼」番組のようになっていました。亡くなったのが安倍氏だけに余計に違和感を覚えたのは私だけでしょうか。森友・加計・桜を見る会・河井大買収事件など政治家として、首相として説明責任を全く果たさず、公文書の改ざんまで起こし、さらには国会で虚偽答弁の積み重ねと、許されざることは数え上げればきりがないほどでした。
今は安倍氏の死を悼むことに終始するのでなく、国会議員、特に首相になってからの言動を事実に基づいて検証し、功罪を明らかにしていくことこそ求められているのではないでしょうか。
岸田首相は安倍氏を国葬にすると表明しました。国葬に値する人でしょうか。米国は、安倍氏のことを、集団的自衛権を容認し自衛隊を米軍の護衛に当たらせるように貢献した人物と賞賛するでしょう。軍事費を増やし米国の武器をたくさん買ってくれたと感謝するでしょう。米国の軍事戦略の障害となっていた9条改憲への道をつけたと高く評価するでしょう。そんな安倍氏の国葬に私は反対です。(河井疑惑をただす会代表 山根岩男)