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海士町で感じた18の素敵なこと。

アトリエモールほしぐみチームでお邪魔した島根県隠岐の海士町。実に様々な気づきや思いがあり、そして年度末に突入したため、何も振り返りを残していませんでした。キンニャモニャを除いて…。ということで、薄れつついく記憶で振り返りをします。

題して、海士町で感じた18の素敵なこと。

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その1. 移住者が地域をまわす

もはや数字がうろ覚えなのですが、2200名ほどの島民のうち、いわゆるアイターン移住者が350人定住しているとのことです。凄まじい比率です。もともとの島民の方の高齢化が進んでいることが推察されますので、いわゆる労働人口における移住者の比率は相当になるはずです。島には3日しか滞在しませんでしたが、確かに地方にお邪魔したときのお会いする3の平均年齢の高さは感じませんでした。もう、このテーマだけで本が何冊もかけると思いますし、実際にいろいろなレポートが出ています。私が初めて海士町のストーリーを読んだのはワークス研究所の「Works107号」。2011年のことです。長い取り組みのストーリーがあるのです。17ページ目から全文が読めます。

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その2. カルデラを実感できる

北海道出身なのでカルデラが好きです。洞爺湖、屈斜路湖、摩周湖、北海道にはいくつもの美しいカルデラ湖があります。東北の十和田湖もそうですね。日本一有名なカルデラは、阿蘇でしょうか。ここ隠岐では、カルデラの形が実感できます。隠岐は乱暴にいえば、島前と島後から成り立ちますが、海士の含まれる島前は、まさにカルデラの典型的な地形を呈しています。地図を見ているだけでうっとりする美しさです。地形マニアとしては魅入られてしまいます。しかも、それが半分海没しているのですよ。火山の隆起にカルデラの陥没、そして波による浸食が美しい海岸線を長い歴史の中で作り上げています。海士からお隣の西ノ島に連れて行っていただきましたが、絶景の中を山の上から降りていくのは最高の体験でした。

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その3. ないものはない

『ないものはない』という言葉は、 ①無くてもよい  ②大事なことはすべてここにある という2重の意味をもちます。 離島である海士町は都会のように便利ではないし、モノも豊富ではありません。しかしその一方で、自然や郷土の恵みは潤沢。暮らすために必要なものは充分あり、今あるものの良さを上手に活かしています。『ないものはない』は、このような海士町を象徴する言葉、島らしい生き方や魅力、個性を堂々と表現する言葉として選ばれました。地域の人どうしの繋がりを大切に、無駄なものを求めず、シンプルでも満ち足りた暮らしを営むことが真の幸せではないか? 何が本当の豊かさなのだろうか? 東日本大震災後、日本人の価値観が大きく変わりつつある今、素直に『ないものはない』と言えてしまう幸せが、海士町にはあります。

海士町のサイトからです。なんか島中、このコンセプトに満ちているように感じました。

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その4. 信号はある

島には1つだけ信号があります。1つだけです。そして、その信号は私が見る限り、常に黄色点灯を続けていました。赤や青にならないということは、機能的には不要な信号です。でも、なぜ黄色点滅だけの信号があるかというと、島の子供が信号を知らずに過ごすと、島から出た時に危険だからということで、この信号はあるらしいというお話を聞きました。愛がありますね。

その5. コンビニはない

島にはコンビニはありません。後に出てくる隠岐島前高校のホームページには、最寄りのコンビニとして「ポプラまで徒歩+フェリー3時間30分」と書かれています。さらには自動販売機もほとんど置かれていません。まったくゼロというわけではありませんが、自動販売機での売買は人と人とのコミュニケーションが生まれないから、というのがその理由みたいですが、凄まじい思いを感じます。

その6. 海が当たり前になってくる当たり前

海がみえると不思議と人はテンションがあがるものです。たぶん、私たちの遠い祖先が海からあがってきたから、自分たちの故郷としての郷愁を本能的に感じるのかもしれません。そんな海ですが、滞在2日目の昼過ぎからは、そこにあるのが当たり前になりました。テンションも平静を保てます。だって、ここは四方を海に囲まれた小さな島なのですから。海が当たり前になる当たり前って凄いこしです。

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その7. 船での移動がカジュアルに感じてくる不思議

生まれて初めて船の乗り継ぎをしました。14時25分発境港発のフェリー「しらしま」で隠岐に向かいます。境港での駅からフェリーのシームレスな乗り継ぎにまずは感動です。到着するのは、西ノ島の別府港。海士町は違う島です。別府港から小さな内航船の「いそがぜ」に乗り継ぎます。フェリーは乗船名簿がありましたが、ここはメトロを乗り換えるくらいのカジュアルさです。そして、翌日カントクに観光に連れていってもらった際は、内航船のフェリーに車を乗せて移動。病院に行くにも、髪を切るのも船でいくとのこと、帰りのフェリーの時間も苦に感じることはありませんでした。

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その8. 神主は掛け持ちが当たり前

隠岐神社で禰宜を務める方と呑む機会がありました。こういう場を創ってくれるカントクのセンスが凄すぎです。神主の中で、禰宜は宮司に次ぐポジションのようです。日本には8万か所以上の神社があるそうですが、神職につく神主は2万人くらいしかいないそうです。メジャー神社には何10人と神主がいたりしますから、神主がいない神社が相当数に上るのは簡単な算数の問題でわかります。なにで、神主は掛け持ちをするのは当たり前のようです。なんか勝手にいい話だなと思いました。神社は地域と強いつながりがある存在だというのも再認識しました。この神主さん、何かオンライン・イベントに登壇していただきたいと思う魅力的な方でした。隠岐神社は島送りにされた後鳥羽上皇を祭った神社ですが、人が祭られるというのも何となく落ち着きが悪いところがあります。

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その9. おすそ分けの文化

今回のホストのカントクに聞いたのですが、ありがたいことに島民同士でいろいろなものをおすそ分けの文化が根付いているそうです。地方に行くとそれなりにあると思いますが、ここではかなりその傾向が強そう。私たちの感覚だと、おすそ分けをいただくと何かお返しをしないといけないという感覚が働き、何かと逆に気遣うことも出てくるんじゃないかと心配になります。でも、それを求めておすそ分けをしているわけではないわけです。例えば、家を空けていた時に玄関に誰かが野菜を置いて行ってくださる、誰が置いてくれたかどうかもわからないのですから、お返しのしようがありません。お返しは誰かにすればいいのです。自分がおすそ分けをできるものができたら、誰かにおすそ分けをすることによって、お返しになるという、まさに循環型社会の感覚です。誰かが何かをしてくれたことを感謝して、違う誰かに何かをしてさしあげる、これが本当に人間社会だと思います。

その10. カギはかけない社会

自宅も車もカギをかけることはないそうです。なるほど、としかいえませんが、信頼社会ですね。そして、カギをかけなきゃ、宅急便の再配達もないし、便利といえば便利です。私たちの日頃のビジネスもそうですが、セキュリティをかければかけるほど仕事は面倒になりますよね。パスワード管理とかうんざりします。これは信頼社会が崩壊しているからです。信頼社会をセキュリティで担保するために、私たちはどれほどのコストと手間をかけていることか、あらためて実感します。

その11. キンニャモニャがある

これは、別に長々と書きましたので、そちらをご覧ください。

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その12. 素敵なホテルがある

あまり泊まるところがどこかということに普段は重きを置かないのですが、カントクが教えてくれたので、今回は珍しく素敵なホテルに泊まりました。港も近く、便利でもありました。そして、本当に素敵です。いろいろ書きたいところですが、疲れてきたのでたんぱくに行きます。

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その13. 隠岐島前高校が凄い

島根県の高校全体で県外生の取り込み努力をされていますが、この隠岐島前高校は158人の生徒のうち90人ほどが県外の生徒であり、寮生活をしています。ここのホームページに書かれているのがなかなか素敵で「島まるごと学校。日本一の多様性の中で学ぶ!」というスローガンが掲げられます。「地域の魅力」の項目に書かれている内容を引用します。「イチオシは夏の海! そして本気で挑戦する大人たち!~~~島前の魅力は何と言っても夏の海! 冬には荒れる海も、夏の間は泳いだり潜ったりするのに最高です。釣った魚をさばいて食べたり、獲った貝を調理したり、サバイバル能力が知らぬ間に身につきます!もうひとつは、普段なかなか会えない「かっこいい!」と思える大人が続々と集まること。地方創生担当の石破大臣やアメリカ総領事などの政治家、会社経営者の方や、アフリカでビジネスをはじめた若手起業家、自分の夢に向かって頑張っている会社員や大学生など、普段はなかなか話すことの出来ない方々と会って、直接話しができるのが本当に嬉しいです。ぜひかっこいいと思える大人を見つけてください!」

その14. 「隠岐國学習センター」が凄い

確か隠岐島前高校の70%以上の制度が通っていると聞いたように思いますが、一種の塾なのですが、ここが高校を補完して魅力を高めています。公立高校としての自由度の限界をここが補っています。その建付けが凄いと思います。スタッフの大半はアイターン者のようです。そして、センター長はたこ焼き名人。

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その15. 出会う島

カントクのおかげて島の素敵な方ともお話する機会をいただきましたが、東京から訪れてこられていたカントクの知り合いのご家族とも、2日目の夜をご一緒しました。カントクの職場で集まります。で、面白いことに、このご家族とは、島内のあちらこちらで会うのです。完全に確率論を超えた出会いの頻度です。奥様は人事の仕事をされており、飲食店のアルバイト経験については意気投合ができそうでした。

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その16. 魔女のハーブティが最高

港の近くに「島のほけんしつ」というカフェがありました。2日目の朝も3日目の朝もこちらで魔女のハーブティをいただきました。市販品を組み合わせて試行錯誤して作られたというハーブティのポットが凄いのです。ハーブがポットの中でのびのびと拡がるけど、注がれないのです。また、ここに来るために海士にきたいくらいでした。

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その17. 子供のいる世界

今回は同行者のツカちゃんが子供を連れてきました。父親と息子の二人旅の冒険です。これが今回の旅にまた大きな彩をくれました。山から時間とおりに降りてこられたのも彼のおかげなんです。

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その18. 口約束や社交辞令にならない間柄 

この企画、12月の経営学習研究所のオンラインイベントで久しぶりに昔話に花が咲いて、その場の勢いで実現されました。日程だけ決まっていながら、2週間前まで誰も動かずに本当にやるかやらないかやきもきした人もいるかと思います。カントクにも移住されるときから、SNSでは必ず行きたいと伝えてましたが、とうとう勢いで実現しました。口約束や社交辞令にならない間柄は大切だと思います。道中、いろいろと考えることも多かったですが、その反面、純粋に楽しかったです。純粋に楽しいということをするのは、生きていくためには大切ですね。

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