朝食を抜くと太るのか~論文の結果の読み取りには注意を~
最近、といってもここ数年ですが、肥満が気になりだしました。
身についた脂肪が以前ほど簡単に落ちないと感じるようになりました。
そんなところで、2021年に朝食と体重との関連を縦断的にみたメタ分析が出てましたので紹介します。
「朝食抜きと体重との関連:縦断的観察研究によるメタ分析」
https://www.mdpi.com/2072-6643/13/1/272/htm
私自身は、朝食は割と食べているほうです(毎日ではないですが)。
このシステマティックレビューには、9本の縦断的観察研究が含まれ、
うち3本がメタ分析の対象になっていました。
メタ分析では、
①朝食を週に3日以上抜く集団
と
②朝食を週に2日以下抜く集団
に分けました。
この基準ですと、私は2日以下群になります。
その結果、週2日以下に比べて、週3日以上の集団では、
肥満(体重過多)が11%増加(リスク比95%CI、1.04‐1.19)でした。
BMIは変化がみられなかったそうです。
ちなみにここでの
肥満の定義は、BMI ≥ 30 kg/m2
体重過多の定義は、BMI ≥ 25 kg/m2
でした。(日本人の感覚では、体重過多からが肥満でしょうか)
この結果から、やはり朝食を抜くと太るんだなと思ったでしょうか。
明日からは規則正しく朝食をとろうと思ったでしょうか。
実は、論文内でも述べられていますが、この「朝食を抜く」とい事象には、研究間でバラツキがあり、結果は過大評価されている可能性があるようです。
また、朝食の質も問われていないことから単純にこの結果をもって、朝食を抜くと肥満になりやすいとは言えないようです。
この論文からは、
よく定義された曝露(介入)、アウトカムを測定することの重要性
研究のおいている仮定や仮説を意識せずに結果だけを読むと、
誤った実践につながる可能性があるということが学べそうです。
論文では結果をつまみ食いするだけではなく、その研究がどんな仮定や仮説をいているかしっかりと把握して読むことが大切となりますね。
(文責:的場)
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