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「細部にこだわるということ」 by Yuri in Tokyo

皆さん、こんばんは!まだまだ寒さ続きますが皆さんはいかがお過ごしですか?
この時期に連想するのは、みかん、こたつ、そして私にとっては調律です。

私の家には物心ついた頃からKAWAIのアップライトピアノがありました。中古でボロボロなのですが、適度な重みの鍵盤から奏でられる音が大好きで、下手ながらにも弾いていたのを覚えています。

そんなKAWAIのピアノをボロボロながらにも使えるように調整してくれたのは、毎年この時期に家にやってくる「調律師」でした。一つ一つの鍵盤を丁寧に確認しながらピアノを最善の状態にしてくれる、ピアノにとっての健康診断のようなものでした。

そんな懐かしい思い出を蘇らせてくれたのは、昨年行われた「ショパンコンクール」です。

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ショパンコンクールでは、ピアニストが4つのメーカーのピアノを試し弾きし、本番ではどれを使うか選ぶことができるそうです。ピアノの鍵盤のタッチや、音の響きはピアニストにとってとても重要で、ピアノに合わせて弾き方を変えるピアニストもいるのだとか。

高音を響かせるのか、音に温かみをもたせるのか、全体のバランスを重視するのか、曲に応じて、ピアニストに応じて状態を変化させる鍵を握っているのは調律でした。

私は調律をする彼らが、素人耳では全く気が付かないほどの微妙な音の変化に対して、鋭い感覚をもち、様々な技巧を使って音を七変化させる姿にとても驚きました。

些細な音の変化に、ピアニストは気づくでしょう。
でも、ほとんどの聴衆は気づかないかもしれない。

では、なぜそこまでやるのか?

その答えは、曲の中に有りました。ピアニストが最高の状態で弾けるようにと整えられたピアノと鍛錬を重ねたピアニストによる演奏は、ただただ美しく、透き通っていました。

これまでの思いが溢れ出るような感覚に、
胸を打たれたような感覚に、
言葉にできない感動に、胸が熱くなりました。

そんな感動をもたらしてくれたのは、
微妙な音の違いを感じたからではなく、
調律師の技工を見たからでもなく、
その一曲に対する、ピアニストの、そして調律師の熱い思いを、彼らの並々ならぬ努力の中に感じ取ったからだと思います。

調律師の仕事は人目にはつきません。それはアーティストも同じです。

しかし、人々はアートの中にアーティストを想像することができ、彼らの思いを感じ取っています。

沢山の「こだわり」が創り出す作品は鮮やかで、輝いていて、そんなアートを創り出せるアーティストの皆さん、って素晴らしいなとしみじみと感じます。

ショパンコンクール、興味がありましたら是非聞いてみてください!
ちなみに私のお気に入りは反田恭平さんの「ラルゴ」です。


皆さま安全にお過ごしください。
それではまた次回😊

JCATアドバイザー
Yuri

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