vol.571 BtoB向けメール配信の基本的な活用法。(稲田)2024/6/13
BtoB用メール配信の基本的な活用法をまとめてみました。
BtoB向けメールの基本方針
メールは1テーマ、1CTAが基本。できれば週に一本送る
過去のコンテンツをなるべく活用する
全体的な開封率を問わない
上記の基本方針から逆算すると、BtoB用メール配信は下記のような活用法と役割分担が考えられます。
メールは1テーマ
内容に興味がある人に開封してもらうのが基本。何でもかんでも開封してもらおうと思わないこと
開封するかどうかを判断してもらうためにはメールタイトルがポイント。ニーズを反映させること(タイトル例 → ◯◯活用で顧客注文を迅速化|JBNの事例紹介)
過去のコンテンツを活用する。反応が高い記事は何度も使う
反応が高いコンテンツはニーズが埋まっている可能性が高いので、積極的にリライトしてキラーコンテンツに育てる
テーマ毎の開封率と反応率(クリック率/開封率)を重ねることで、自分たちのコンタクトのニーズ傾向や案件化に貢献しやすいパターンを探る
テーマの区分
テーマは「事例紹介」「ナレッジ」「ダウンロード」「製品・サービス」のジャンルで大まかに区分し、ユーザーニーズにあわせ、過去のコンテンツを活用する。
事例紹介(成果、課題解決)
ナレッジ(基礎知識、技術解説)
ダウンロード(成果、課題解決、サービス・製品)
製品・サービス
過去のコンテンツをなるべく活用する
「週に一度はメールを配信したいけれどコンテンツが書けない/間に合わない」といったお悩みをお聞きします。
上記のようにテーマを整理して、既存コンテンツを回す方針でメール配信のスケジュールを立てることで新規コンテンツがなくとも「毎週1回、1テーマで1メール」は実現します。
もちろん、新規コンテンツは重要だし、社内で継続的にコンテンツを作る取り組むのは絶対やった方がいいです。ただ、メール配信のメリットのひとつは「過去コンテンツの有効活用」ですので、メール配信の軸として上記のようなフレームを作り、「新規コンテンツがなければメールが送れない。苦しい」といった負荷と状況の回避をしておくのがお薦めです。
全体的な開封率を問わない
1テーマ1メールとは別の「ニュースレター」の役割
1テーマ1メールがあることでニュースレターの役割が対照的になります。1テーマ1メールはニーズ起因ですが、ニュースレターは「御社起因」を目指すものです。乱暴にいってしまえ「自社のファンの人に読んでもらう」を目指すメールです。
1テーマ1メールはニーズ起因なので一番の勝負ポイントは「メールタイトル」です。題名で開封するかどうか決まりますし、そもそも関心のないテーマだったら無視してもらってよいメールだからです。その意味でいえば、重要なのは開封率でもクリック率でもなく反応率(クリック率/開封率)です。反応率が低いのはタイトルに興味を持って開封したけれど、「思ってたんと違う」と思ってクリックされなかったという指標です。つまり「がっかりさせた」メールだったということです。テーマに関心がない人にも開かせようとするメールはよろしくないし、メールマーケティングの良さを減じてしまいます。
一方、ニュースレターは「A社から届いたらから開く」という存在を目指せるようになります。極論をいえばクリック率も反応率も別に関係ありません。開封率を増やすのが目的になりえるかもしれませんが、そこも主たる目的にしなくていいくらいです。どちらかといえば「A社に何となく好意を抱いている」ユーザーに好意を保ってもらうためのコミュニケーションであり、あわよくば「より好意をもってもらえたら嬉しいな&他者や同僚に推薦してもらえたら嬉しいな」という目的設定が可能です。このようにニュースレターの役割が対比化できれば、ビジネスだけでなく周辺コラムやエッセイ的なものも含め、「書くのが得意」という社員さんもより活かせるかもしれません。
BtoBにおけるメールマーケティングの主な目的
BtoBにおけるメールマーケティングの主な目的は下記の4点です。
継続的な接触
想起の創出
ニーズの掘り起こし
ユーザーアクションの創出
基本的にはメール単体で一つひとつの成果を問うものではなく、「継続的に行うことで、その総体と総量によって、ユーザーのタイミングがきた際に想起してもらい、アクションしてもらう」ことが目標になります。(だからメールの配信数が重視される)
BtoBにおけるメールマーケティングのポイントは「継続性」と「活動の総体と総量」なのですが、1テーマ1メールだけも難しいし(ニーズ起点は作れるが、自社のファンづくりとは違う)、ニュースレターだけでも難しいです(ファンの人は読んでくれるが、ニーズ起点を作りづらい)。
「1テーマ1メールとニュースレターの二刀流」と聞いて、それならできそうと思ったあなたはメール配信に向いているかもしれません。お試しください。