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モンスーンの頃(=雨季)のシャシャ村の暮らし
バングラデシュは川の国、多様な季節のあり様は人々の心に魅力的で楽しいものを生みだしています。多くの人びとは貧困ライン以下の生活で、基本的に必要なものを全て得られているわけではありませんが、季節ごとにいろいろな趣味や仕事を楽しみながら暮らしています。
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雨季が始まると河川に水があふれ、魚があちこちで飛び跳ね、吹く風は穏やかでとても美しい風景が広がります。雨季が終わると、村のお年寄りたちはネットや竹の棒で作った用具で、用水路下の木々の辺りで構え、まるで祭りのように興奮、熱狂して魚とりに夢中になります。捕った魚は家に持ち帰ってフライなどにして食べ、また収穫した米、豆類、野菜などで作るケチュリ(炊き込みご飯)はこの季節によく食べられる伝統料理です。
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村の女性たちは昼食を終えると、米や様々な種類の穀類、大豆などの豆類、小麦を揚げて、混ぜたものを保管。午後自由時間ができると、仲間たちと座ってしまっておいたそれらの食べ物をつまみつつ、身の上話しなどおしゃべりしながら、雨音を聞き、針をすすめてノクシカタ刺しゅうを楽しみます。花や鳥など刺しゅうのデザインはいろいろあり、製作現場はまさに農村の古くから続く美しい光景や田舎の暮らしぶりそのもの、織りなす針や糸は、新たな夢や希望を紡ぐものでもあります。
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このようにモンスーンの時季は過ぎていきます。そして季節が終わると、次のモンスーンがいつ頃やってくるのか、誰もが指折り数え待つのです。
2023/04/30
JBCEAバングラデシュ 副カントリーディレクター
シャヒナ・カートゥン