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パドマ橋がもたらした影響

パドマ多目的大橋(パドマ(=ガンジス)川、ジャムナ川、メグナ川の3つの川にかかる橋)の建設はバングラデシュ南西部にいる数百万の人々にとって夢のプロジェクトでした。橋の開通前、この地域は、ダッカーチッタゴン(南東部に位置する経済主要地域)を結ぶ主要産業から取り残された場所で、接続が悪いため経済はうまく進まず、その結果、貧困と低い就業率が大きな問題になっていました。

しかし、今やパドマ大橋の開通がこの取り残された南西部の21の県を、経済発展の流れに結び付けました。さらに大橋は、南西部の主要海港で国内2番目の規模のモングラ港と、3番目のベンガル湾にあるパイラ港を、つなげることになります。

パドマ大橋は国家経済の年間GDPを1.23%押し上げると予想されており、同様に南西部地域のGDPは2.5%上昇と予測されています。そして、ダッカと南西部地域との間の移動時間も、車やバスは2時間、トラックで10時間余の短縮が見込まれています。日本の国際協力事業団の調査では、この短縮により地域の経済生産が5.5% 上昇するということです。

パドマ大橋は広範囲にわたるビジネス・チャンスを産みだし、南西部の移動問題に関して企業家たちの心理的障壁を完全に打ち破りましたが、国の最長大橋を最大限に活かすには、支えとなるインフラが未整備なのです。企業家や専門家はガスや電気の供給不足、ファリドプル(ダッカ管区の中南部の県)のバンガから南西部へ続く狭い道路などが、地域の産業化には大きな問題と話しています。また、経済専門家は企(起)業家たちにとって魅力的な投資先となるには、適切なガス・電気・土地の供給、道路拡張、複雑なお役所仕事の撤廃などを確実にするように提案しています。

先ず、政府が取り組む緊急課題のひとつに、ダッカークアカタ(南部の町)間の新規経済ライフライン設置があります。既にいろいろな現地複合企業が産業構築の土地を取得し、多くの企(起)業家が投資先を探し求めています。

最後に、適正な政策など環境が整えば、パドマ大橋により南西部地域が地域を結び、貿易、投資、成長と発展を増長させる経済拠点に生まれ変わることになるでしょう。

2023/1/31
JBCEAバングラデシュカントリーディレクター
マハデブ. C. バス


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