バングラデシュの文化
バングラデシュは人種のるつぼであることから、多様な文化が入り混じっています。深く根ざしている伝統は建築、文学、舞踊、ドラマ、音楽、絵画などに十分表れています。そして宗教は大きく3つーヒンズー教、仏教、イスラム教ーあり、なかでもイスラム教が最も行き渡り影響が続いています。色彩豊かなモンタージュのように、国の文化的伝統はいろいろ異なるものがうまく混ざり合い、独特な多様性のなかにも本質的に対称のつり合いがとれているといえます。
祭り:
人種ごとにさまざまな祭りが開催されます。イスラム教では、イーデ・ミラドゥナビ(預言者生誕祭)、イードゥル・フィトル(断食終了祭)、イードゥル・アズハー(犠牲祭)やムハーラム(新年祭)など、ヒンズー教では、ドゥルガー・プージャ(女神の祭)、サラワスティ・プージャ (弁財天の祭)、カリプージャ(カーリー女神の祭)などいろいろな祭りがあります。キリスト教では、クリスマス(バングラデシュではボロディンとよばれている)の祝いです。その他にも人種に関係なく行われる祭りがいくつかあり、ポヘラ・ボイシャク(お正月)もそのひとつで、国の祝祭日としては独立記念日(3月26日)、犠牲者追悼と母国語の日(2 月 21日)、戦勝記念日(12 月16日)、ラビンドラ・タゴールやナズルル・ジャヤンティ(両者とも国民詩人)を祝う祭日もあります。
文学:
バングラデシュ文学にも豊かな伝統があり、最も古いものだと3000年前に遡ります。当時、イスラム君主による支援で飛躍的に発展しました。ド・シャンデュー Das Chandi、ダウラト・カジ Daulat Kazi、アラオール Alaol も当時の有名な詩人たちです。近代ベンガル文学は19世紀末期、ノーベル賞受賞者でバングラ文化の核を成すタゴールで始まったといえます。
カジ・ナズルル・イスラム Kazi Nazrul Islam、ミカエル・マドゥスダン Michael Madhusudan、サラ・チャンドラ・チャットパダヤ Sarat Chandra Chattopadhaya、バンキム・チャンドラ・チャットパダヤ Bankin Chandra Chattopadhaya、ミール・モシャラフ・ホセインMir Mosharraf Hossain、カジ・アドゥル・ワドゥド Kazi Ahdul Wadud たちは、近代ベンガル文学の先駆者であります。
次号で、音楽と演劇を紹介します。
2022/9/30
JBCEAバングラデシュ 副カントリーディレクター
シャヒナ・カートゥン