第7回 夏の風物詩、ほおずき市
本格的に日差しが強くなるこの時期、江戸の浅草寺には年に一度のご利益を求めて人々が参拝に押し寄せます。今回はそこで開催される「ほおずき市」のご紹介です。
浅草寺の四万六千日は7月10日ですが、我先にと、ご利益を得るため前日から駆けつける人が多かったようです。そのうち7月9日もご利益の対象となり、いつからか7月9日・10日の両日が四万六千日とされるようになりました。
現在も毎年7月9日・10日の四万六千日には浅草寺で「ほおずき市」が開催され、露店が立ち並びます。
ほおずきは観賞用や薬用として重宝されていた一方、笛や人形など子どものおもちゃとしても親しまれていました。ほおずき人形が動き出して旅をする様子を描いた浮世絵も人気を博し(歌川国芳の「ほふづきづくし」というシリーズです)、ほおずきという植物が大人から子どもまで、江戸の人にとってとても身近な存在であったことが伺い知れます。
(笹井さゆり)
【参考文献】
『江戸学事典』弘文堂
【参考Webサイト】
https://www.senso-ji.jp/annual_event/13.html
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