深泥池:狸藻(タヌキモ)、白犬の髭(シロイヌノヒゲ)
深泥池ですね。京都市北区にある周囲約1.5km、面積約9haの小さな池ですが、氷河期からの動植物が生き残る、非常に貴重な場所です。
深泥池の植物
深泥池は、貧栄養状態の湿原と、周囲の湧き水によって涵養される池とが共存する特異な環境です。そのため、多様な植物が生育し、中でも ミツガシワ 、 ジュンサイ 、 ホロムイソウ などの北方系の植物は、近畿地方では珍しく、学術的にも貴重なものです。
浮島:池には、西日本でも珍しい浮島があり、そこにはアカマツやネジキ などの樹木、ミツガシワやカキツバタなどの草本が生育しています。
水生植物:ジュンサイ、ヒツジグサ、タヌキモなどの水生植物も豊富です。
周辺の植物:池の周辺には、ヨシ、ガマなどの抽水植物や、ハンノキ、 ヤマモモ などの樹木が生育しています。
歴史・文化
深泥池は、古くから人々の生活と関わってきました。
氷河期の生き残り:深泥池は、周囲を山に囲まれた盆地にあるため、氷河期以降も気温の変化が少なく、当時の動植物が生き残ることができました。
伝説:深泥池には、竜神伝説や、底なし沼伝説など、多くの伝説が残されています。これらの伝説は、人々が深泥池に対して畏敬の念を抱いていたことを示しています。
農業用水:かつては、深泥池の水が農業用水として利用されていました。
天然記念物:1927年(昭和2年)に「深泥池水生植物群落」として国の天然記念物に指定され、1988年(昭和63年)には「深泥池生物群集」として生物群集全体に対象が広げられました。
保全活動
近年、深泥池では水質悪化や外来種の侵入などが問題となっています。そのため、地域住民や研究者などが協力して、水質改善や外来種の駆除などの保全活動を行っています。