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第10回 海の見える山紅葉

葉が色づく季節。「春の桜、秋の紅葉」は江戸時代から変わりません。人々はこぞって紅葉狩りに出かけます。今回はその一端のご紹介です。

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犬とおまわりさん(同心)がいるのは、名所のひとつ、海晏寺(かいあんじ)の一角です。高台にあるため、海を見晴らしながら紅葉を楽しむことができました。散策するもよし、茶店で休憩するもよし、各々が思い思いに過ごしました。
一点、現代ではあまり見ないのは「紅葉の下で短歌を詠み、その色紙を紅葉の枝にくくりつけておく」という楽しみ方でしょうか。絵の奥の方に、色紙が吊るされた紅葉がちらっと見えますが、このように自信作を吊るしておき、あとから来た人が「うーん、これはうまいな」「イマイチだな」などと感想を述べあったりするのです。なかなか風流な遊びですね。

(笹井さゆり)

【参考文献】
日野原健司,平野恵『浮世絵でめぐる江戸の花』誠文堂新光社
竹内誠,大石学,小澤弘,山本博文『ビジュアル・ワイド江戸時代館 第2版』小学館
【参考Webサイト】
https://otakinen-museum.note.jp/n/na6db68e8422e?gs=d27d969e83c9

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