ホラー小説「鏡の中のフレイヤ」
海沿いの小さな町で、幼い双子の妹・沙奈が波止場から海へ転落した。
沙奈の行方が分からないまま、事故から11年が過ぎ、高校生になった双子の姉・美紗はおかしな夢を見るようになる。
夢に出てくるのは、黄色のリボンを付けた幼い沙奈。
顔が瓜二つの双子で見分けがつくよう、美紗にはピンクのリボン、沙奈は黄色のリボンで髪を結んでいた。
夢の中で沙奈は何かを言っているが、その声は小さく聞き取れない。
しかし、ここ最近では少しずつその声がハッキリとしてきた。
「ここから……出して」
沙奈は、そう言っていた。
美紗は常に友人達に囲まれ、笑顔が絶えない日々を過ごしていた。
そんなある日、学校で美紗のある噂が立ち始める。
それは、幼少の頃に近所の花壇を踏み荒らしたり、綺麗に咲き誇る花々を折ったり、頭や羽をもぎ取った虫の死骸を玄関先へ置いていたというものだ。
しかし、それをやっていたのは美紗ではなく、沙奈だった。
子供の頃から明るくて優しく、誰からも好かれていた美紗と、対照的に暗く、陰湿な印象で何を考えているか分からない沙奈。
その事実を告げると、友人達はクラスで人気者の美紗を妬んだ誰かがそんな噂を流したのだろうと口にした。
毎晩のように続く夢に現れる沙奈は、次第に牙をむき、それはやがて現実をも侵食するようになる。
鏡の映るのは真実か? 虚像か?
仲の良い双子の姉妹に隠された秘密と悲劇のホラーサスペンス。
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(ホラー&サスペンの短編集、第一弾「オメテオトルの森」の第三話となります)
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