経営する事の難しさについて語ってみよう。⑩
友人の経営者が1000年続く会社にしたい、という話をしていた事があった。ちなみに京都では、「老舗」の基準は創業400年以上をさす。それを上回る1000年!友人曰く、息子が孫へと、連綿と事業を引き継いでいくのが自分の理想であると。父の事業の清算を経て、会社は誰のものかを考えた。以前なら当然社長のものであると答えていただろう。これまで仕えた社長はどの様な思考だったのだろうかと振り返った。結論としては、大多数のステークホルダーとは従業員やその家族であり、彼らのものなのでは?と考えるようになった。何故なら、彼らの人生を支え、豊かな暮らしを支える大事な役割を会社が担っているからである。その会社が働き易く、能力を高める事ができる場である事が条件だ。そして、経営者として最もパフォーマンスを発揮する人が一定期間、会社を率いていくといった企業文化にしたいと考えた。経営者は全力でパフォーマンスを発揮する事が求められ、一方従業員は次代の経営者という目標が明確になり、会社が常に前進し変容するというサイクルが出来れば理想的だ。新型コロナウイルス感染症によって会社の体質を変化して、そろそろ世の中が新しい価値感でリスタートしようとするこの時期に経営の譲渡を図った。個人的な事情としては、息子が成人しそろそろ大学を卒業するタイミングだった。家族やスタッフの為に常に行動してきたが、そろそろ新しい視点で仕事をしてみたいと思うようになった。本日はここまで。