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野間真さんインタビュー#08~初アルバム『天使のおひるね』と4thシングル『恋のはじまり』~

『天使のおひるね』ジャケ写は「牛の着ぐるみで(笑)」

――年があけて95年です。
「95年か。95年もすぐにはシングルがまた出ていないんだよな」
――そうです、『恋のはじまり』は8月2日なんですよね。
「そうですね、そこは空きましたよね。それはやっぱりお金の問題であったかなあ。あれ?アルバムは出ています?『恋のはじまり』が出るタイミングで…」
――あ、95年7月21日に『天使のおひるね』が出ています。
「ああ、ベスト盤みたいなものだな。それはセンチュリーがお金欲しいからって作った、まあ小銭稼ぎのアルバムで、そっちに少し力入れましたかね。何が入っています?」
――(アルバム収録曲の一覧表をお見せする)
「このアルバムはね。はいはい、初アルバムね。これはね、たしかにセンチュリーレコードで作っていますよ。だからお金もぜんぶ出していて、センチュリーの佐藤さんが気合を入れて出したものですね」
――ほう。
「この『恋のはじまり』も… そうか、『恋のはじまり』が入っているということは… そうだそうだ、これはね、『春の輝き』『金のボタン』と同じぐらい、僕は意見をあまり言っていない」
――あ、そうなんですか。
「ただ、アルバムの、いわゆるタイトルとジャケット写真にこだわった」
――ああ、はいはい。
「牛といるんですよ」
――はっ?
「牛が写っているの。牛のぬいぐるみ……頭。ご本人が牛を…へっへっへ(笑)」
――ええと、あれれ?
「これはね、ジャケットはかなりこだわった。センチュリーの方はジャケットとかビジュアル的な話は、もう野間さんにお任せしますよって言われて。それこそ大山(文彦)さんとちょっと話をして、おひるねというコンセプトで、おひるねと言えば牛だから、Oくんが牛をどこかの舞台衣装屋さんに行って借りてきて、ふへへへ…(笑)、その牛をジャケ写撮るときに使ったんですよ。で、もうなんかね、大山さんが 、”ぼかぁこういう牛とかって、好きじゃないんだよ" ってね(笑)」
――あれ?好きじゃない、好きじゃない?
「アイドルはやっぱり、素でね、素材でね、活きるものだっていうことを、もうニコニコしながらおっしゃっていて… はははは(笑:楽しそう!)」
――へえ。
「それで、あおいちゃん、着ぐるみの牛を着て、頭も横に置いたのかなあ」
――ええと、ジャケ写ってこんな感じですよね。
「天使ですよ。『天使のおひるね』なんだから、表は天使なんです。そうそうそう」

初アルバム『天使のおひるね』1995年7月21日リリース

――ああそうか。裏が牛なんですね。
「へっへっへ(笑)牛なんですよ」
――なるほどなるほど。
「天使は天使でね、よくこういうのは見かけるかなと思いますけど、牛がね、ちょっと良かったんです(笑)」
――そうか、ジャケットの話も重要でしたね。じゃあ、このジャケ写は大山さんなんですね。
「大山さんです。おそらく全部かな、どうだったかなあ」
――クレジットは載っているのかな。シングルCDやアルバムのジャケットを全部確認すればわかるんですけれど…
「いいですよ、そこまで… そう、だからジャケットには少し力を入れた作品であったと」

『恋のはじまり』は16ビートの明るいメジャーコード

4thシングル『恋のはじまり』『Dan Dan』1995年8月2日リリース

「で、『恋のはじまり』はシングルなので、これはある程度意見は言いまして、夏に出すし16ビートっぽい、まあ完全な16ビートではないんですが、そういう味わいを出したいという感じで。作家はたぶん違うんじゃないかな」
――ヤギハシカンペ―さんです。
「そうですね、作詞も違いますよね」
――有森聡美さんです。
「そうだ、有森さんとヤギハシさん。これはセンチュリーの佐藤が連れてきた。沢田さんで2曲やったから、ちょっと変えてみましょうかということで連れてきた方で…」
――少しダンサブルというか、ノリのよい曲で…
「そうですね、沢田さんと比べると音が立つ、という感じがありますね。このヤギハシカンペ―さんとの出会いが大きいんですよ」
――そうですか。
「はい、むちゃくちゃ大きい。シングルでけっこう書いてもらってます。『恋のはじまり』の時は16ビートが欲しいって言って、うーん、何を言ったんだっけなあ。その時はアイドルっぽい感じというよりは、16ビートが欲しかったので、たぶん西田ひかるの『人生変えちゃう夏かもね』と、中原めいこの『君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね。』」
――あー、はいはい。
「あのあたりのテンポ感と、明るいメジャーコードで作って欲しいってことを言った気がします」

――ほう。ヤギハシカンペ―さんって、たしかチェッカーズのサポートメンバーの方ですよね…
「あ、ドラムか、キーボードの人なんですよね。それで、間寛平に似ているから、自分の作家ネームがヤギハシカンペ―なんですって」
――へえ、そうなんですか。
「間寛平さんっぽい外見をちょっとしていらっしゃる方で…」
――ほほう(笑)
「音楽畑の人に依頼して、そういうライブでノリのいい曲をモチーフとした感じにしましたね」
――B面の『Dan Dan』も作っていらっしゃるので、こういうノリのいい曲をうまく作る方かと思います。
「そういう感じですね。そこはもう間違いがない人だったなあというところです。ソフト路線からちょっとハード路線に行った感じで… 夏にね」
――たぶん夏のキャンペーンではこの2曲を一生懸命歌って…
「そうですね、間違いなく夏はそれで行ったと思います。2年目の夏で、上り調子というか、わりといい線を行っていた感じのところではあります」
――曲も揃ってきましたからね。
「たしかにそうですね」
――どれも粒ぞろいで、キャンペーンやイベントでオリジナルの中から4~5曲歌うと華やく感じですね。
「そんな感じでしたね」

1995年夏のキャンペーン・コンサート雑誌広告
『投稿写真』1995年9月号・裏表紙広告

次回は、5thシングル『とまどい』『ブルートパーズの指輪』の話です。


<追記>
因みに、筆者がいちばん好きな写真は『恋のはじまり』の裏ジャケット。
大山さんがおっしゃっていた「アイドル本人の素材を活かしたショット」とは、こういうのであったのでないか…(と、いま勝手に想像しています)

4thシングル『恋のはじまり』『Dan Dan』裏ジャケット写真より
by SHOOTING STAR 大山文彦


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