デンジャー縞ほっけ部【毎週ショートショートnote《裏》】
私の社畜生活も、もう25年になる。
時代は変わったものだ。私が入社したころ、社会にはまだ会社への忠誠心のようなものがあった気がする。
今は、会社の利益などはどこ吹く風。誰もが、自分の利益しか考えない。
だから会社は稼げない。だから給料は上がらない。
かく言う私も、かつてほどの忠誠心は無い。
とは言え、長く勤めた会社である。若い連中や、派遣の奴らよりは会社のためという感覚もあるし、業務のことも理解している。
「昇進ですか。」
「上も、君に報いる気になったらしい。
部長昇進だ。おめでとう。」
会社に、新部署を設置する考えがあることは知っていた。どうやら、その新部署の部長が私だということらしい。
願わくば。
その部は、派遣も正規も関わりなく、経験の多いものも少ない者も、手を携えて前向きに事に当たる。そんな部であってほしいものだ。
違うな。
私が。そういう部を作るわけだ。
「なんという部ですか。」
「その部の、名前は……。」
完
(本文411字)
次のコマでオチ。ドリフみたいにセットが全部壊れるやつ。