見出し画像

文部科学省が考える今後の幼児教育

【今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方】に関する有識者検討会

先日のNHKニュース「おはよう日本」の中でも取り上げられた公立幼稚園の全国的な閉園の話ですが、実は現状の行政に任せきりの状況で、どんどん閉園して本当に良いのか?という話を文部科学省で有識者会議をしていて、秋に提言をしようとしています。
この会議は、2024年1月~月1回ずつ開催をされていて、オンラインで視聴をすることができます。

かなりの回数、ボリューミーな内容ですのでが、先月 中間整理案というのが提示され、そちらをご紹介します。簡略版として上がっているのがこちらです。

これでもかなり読みごたえがあるので、行政への提言と、幼稚園の在り方について話をしているところを抜粋していきます。佐倉市が話をしているのと対比をしていくと、全く違うことを言っています。

行政への提言箇所

地域における幼児教育の役割

出典:文科省
(今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の 在り方に関する有識者検討会 中間整理案)

文科省の有識者たちは地域の幼児教育について

・ 幼児教育施設は、地域の幼児教育の中核的存在として、在園児のみな
らず、地域の子供に幼児教育の機能と施設を積極的に開放し、様々な家
庭や年齢層の子供が学びの環境に関わることができるようにすることが重
要。

・ 幼児教育施設が、子育てや教育に関する相談に応じたり、情報を提供し
たり、保護者同士の交流の場や機会を提供したりすることなどが重要。
・ 幼児教育施設を拠点として様々な施設、団体、人々がつながりを作ることにより、まち全体が活性化し、幼児や保護者はもとより、地域住民のウェルビーイング向上につながっていくことが期待。
保護者の家庭での養育等の重要性についても普及啓発を行っていくこと
が重要。

文科省(今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の 在り方に関する有識者検討会 中間整理案) 

としています。

では一方で、佐倉市教育委員会が出した報告書や私たちが聞いてきた行政の佐倉市立佐倉幼稚園の閉園方針をこれにあてはめると


➀公立である佐倉市立佐倉幼稚園は無償化以前の値段が安いということがあり方であり、無償化となった今は、役割を終えている。
★地域には私立の幼稚園が数園あり、無償化(というが金額はもちろん公立よりはかかる)なので、そちらに行っていただければよい。
様々な家庭という点については、検討すらされていない。

②子育て支援について予約不要の園庭開放である「くまちゃん広場」を毎週1回月曜に行っているが、これについては閉鎖しても特に問題ない。
★代替案は何も出されていない。

③地域のウェルビーイングについては、地域に説明会をすることもなく、一町内会の会長に説明したのみ。地域との連携は特に必要ないと考えている。

④保護者の養育の家庭で啓発に言及されていないので、考えていないと思われる。


とだいぶ乖離が見られます。

このあとの文面で必要条件の整備という項目があります。
佐倉市では「あり方検討会」という名前ばかりの会議を開ていますが、実質あり方を検討しておらず、「公立幼稚園の役割は終わった」と明言しています。
このため、国の書いている内容をご紹介します。


出典:文科省
(今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の 在り方に関する有識者検討会 中間整理案)

地方自治体における幼児教育担当部局の在り方


地方自治体においては、設置者や施設類型を問わず、幼児期及び幼保
小接続期の教育に関しては、教育委員会が一元的に所管したり、又は他
の関係部局が所管する場合においても教育委員会が一定の責任を果たす
組織体制を構築
したりすることなどにより、教育委員会が有する学校教育
の専門的知見を生かしながら、幼児教育段階から高等学校教育段階まで
の教育の一貫性・連続性を確保した施策を展開することが重要。

出典:文科省

このように明言しています。
これどういうことかというと、佐倉市もそうですが、私立幼稚園はほぼこども園化をしているところが多く(こども園と名乗っていなくても)、管轄部署が教育委員会から離れるケースが多々あります。
その場合、行政によっては子ども支援課や子育て支援課など横断的に対応できる組織を作っている行政もありますが、それがない行政で公立幼稚園がなくなると教育委員会は幼児教育にはかかわらなくなり、放棄するということになります。
それはダメです!と言っている形です。
佐倉市も公立幼稚園が閉園すればこれに該当しますが、幼児教育について民間に丸投げするという市町村がかなり多いということになります。
★幼稚園と保育園は管轄部署が違います。

文部科学省HP
文部科学省HP

今後の幼児教育施設の在り方

・国においては、今後、人口減少が急速に進み、運営の継続が困難となる
幼児教育施設が増える地域
も出てくることが見込まれる中、地域において幼
児教育施設の規模や期待する役割など今後のその在り方について検討を
進めることができるよう、調査研究を行うなど支援していく
ことが必要。
地方自治体は、公立幼稚園の役割を踏まえ、域内において公立幼稚園
が果たすべき役割を明確化するとともに、その役割を果たせるよう、地域の
実情や保護者のニーズ等を踏まえつつ、公立幼稚園における3年保育や預
かり保育の実施、認定こども園への移行などについて検討することが必要

文科省HP

あり方について、1番目は、私立幼稚園は運営困難になる施設が増えてくる可能性があることを示唆しています。これは経営である以上その通りかなと思います。

2番目について、これは各自治体で話を数年かけてしているところです。
佐倉市にあてはめます。
佐倉市は、

あり方ついて:公立幼稚園は経済的な安いという意味合いだけで存在をしていたため、役割が終わった。
地域の実情や役割:保護者のニーズ→地域への説明会、保護者への説明会を要請したが、アンケートのみでニーズ調査をしたと主張
3年保育について:1度検討したが、その時は棄却。理由はニーズがあるのはわかったが、私立幼稚園で行っているサービスであり充足率が私立でも足りていないので、民業圧迫になる。
なお、2023年~2024年の在り方検討会では検討することすらなかった。
こども園の移行:こちらも民業圧迫になるため検討すらせず。

となります。真逆といってもいいぐらいの対応です。


国(文部科学省)の提言は秋にまとめられるとの話ですが、皆様いかがでしょうか?
一度なくしてしまうと、なかなか元に戻すことはできません。しっかりと行政、市民、市議会が、対話をしたうえで、未来に向けてどうするべきかを、今大人である私たちが、考えていく必要があると思います。

全国的な問題で先日のNHK特集がWeb記事にもなっていますので、
こちらもご参照ください。

署名の実施

佐倉幼稚園の存続に向けて署名を行っています。
ご賛同いただける方は下記からお願いします。

アンケートの実施

佐倉市の市議会向けに市民の声を届けようとアンケートを実施しています。
ここまで読んでいただいた皆様、
佐倉市に住んでいらっしゃらなくてもこの事案に関心ある方はぜひご回答ください。
よろしくお願いします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSco3Aj5yQvQjYVT2sqT1LWlcIBmzzWatZ1eWMCcK3DMEgDgEg/viewform


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?