逃病小説 #5

2021/03/13(土)
昨日の衝撃の告知から一晩明けて、ダウナーを引きずりながら出勤する。
今日は土曜日。わたしが勤務している書店には、家族連れのお客さんが楽しそうに本を選んでいる。
「はぁ…みんな楽しそうに、日常を過ごしているのに…なんでぼくだけ…」
仕事をしていると少しは気が紛れるが、「ガン患者」であるわたしが時折顔を出す。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?