プライドを捨てる勇気
マレーシアの大学院が始まりました。
研究自体は始まったんですけど、まだ学生登録が終わっていない。細かく言うと、大学から入学許可証はもらっているが、正式の登録をするためには、Education Malaysian Global Studies? EMGSという政府機関から、Eval Certificateというものをもらって正式登録が出来る。今は、そのEval待ちである。
僕は大学も大学院も自費で行っている。
学部の後半2年は仕事をしながら、通っていた。
元々は職務範囲も狭かったが、2年近く経って、管理職に上がってしまった。そして仕事が忙しくなった。今は、新しい副社長が入って、仕事のルールやKPIも高くなる。
ベンチャーの会社で、前は比較的自由度が高かったのもあって、自分のペースで出来て、働きやすかったが、トップが少し変わり、そのころの自由度は無くなりつつある。
その副社長はかなりのやり手で、前の会社で入社1年間で売り上げを3倍にしたそう。キャリアウーマンというやつだ。前はみんな割と気楽にやっていたので、会社の中で彼女の登場に反感を持つものも多い。
僕はある程度立場もあるし、まあ、社長が彼女を信頼するなら、僕は個人の気持ちはさておき、会社が少しでも前に進めるように手伝うことだろう。そのため、副社長とはいい関係性を築けていると思う。
言ってることは間違っていないんだが、多国籍企業で自国のやり方を持ち出しすぎると、周りから嫌われる。過去にそういう人を何人も見てきた。正しいことというのは相対的で、正しいと思っていても、周りがついてこれないと、正しくないことになりかねない。マネジメントの難しさを感じる。
さてさて、僕はこの仕事をしているが、別にこの分野でキャリアを積みたいわけではない。何なら、僕の本業にしたい分野と全く違う分野だ。でも、ベンチャーで働くということは、社長の横で経営を見れる。これは、24の僕にとって貴重な経験だ。オーナーの一人は200人以上のスタッフを持つIT会社の社長だ。彼らの思考を学ぶのは面白い。
だが、これは本業ではない。なのに、時間がかなり取られる。給料はマレーシアの現地採用の日本人の平均よりもらっているかもしれないが、別に高くない。何なら労働時間が長いから割に合わないことも多い。
最近は、本業が中途半端で大学院を出て、仕事をゲットして、速戦力になる自信はない。僕は少し遠回りをして、本業の学をしてきたので、できれば、大学中に色々なスキルを磨きたい。特に僕は研究で大学院にいるので、研究外の必要なスキルを身に着けたい。
ただし、今は本当に時間がないし、この仕事を続けた場合と辞めて本業に全集中した場合の僕の2年後の知識量は圧倒的に違うだろう。貯金はずっと働いてたから、2年で大学院を出る分はある。だが、仕事を辞めることへの恐怖感は拭えない。いわば、安定を捨てるという事。自分は大学に入ったとき、仕事を一度辞めて2年ぐらいは職なしだったので、あの頃の不安は今でも覚えている。
仕事に関して言うと、僕の性格上ベストを尽くしたいタイプなのだが、6割ぐらいでほどほどにやって、時々、周りから自分が優秀じゃないように思われるかもしれないが、それで、ぼちぼちの給料をもらって、本業に集中しつつ、経済的には安定しているという状況もありかもしれない。
本気を出せば、ある程度の成果は出せるが、そこまでコミットする時間はない。だから、ある意味、自分のプライドを捨て、あきらめる勇気も必要なのかもしれない。
大学院を出て働きだすとスキルアップする時間は少ないと思う。なら、大学院在学中最後の1年はそこに専念したい思いも強い。
人生は難しい。