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【パパの英単語語源ノート(番外編②)】そもそも「英国」、「英語」の定義は❓
英国の名称と「Great Britain」の由来
英語の「English」は、つまり「England(イングランド)の言語」を意味するが、「England」が指す範囲は意外と誤解されがちである。我々が「英国」と呼ぶのは、厳密にはイングランドだけでなく、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドを含む地域全体を指す。英国の正式名称は「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)」である。
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しかし、漢字文化圏の中国、韓国、日本では発音は異なるものの、「英国」という単語が定着し、ブリテンを包括的に表現している。その背景は、意外と中国にある。明朝末期に中国へ渡った英国人の多くはイングランド出身であり、"I am English.”と自己紹介したことから、中国側は「英吉利」(Yīngjílì、インチリ)と呼ぶようになったようだ。やがて、インチリの国、「英国」が定着した。
ちなみに、「England」という名称は、アングル人(Angles)の土地(Land)を意味し、本来は「Angland」と呼ばれるべきものが、時代の変遷とともに「England」に変形したと考えられる。現在のフランス語にはその名残があり、英語は「Anglais(オングレ)」、英国人は「 Anglais(オングレ、男性)」や「Anglaise(オングレーズ、女性)」と表現される。
ここで、英国の正式名称に含まれる「Great Britain」について考えてみたい。「Great Britain」は、スコットランド、ウェールズ、イングランドを含むブリテン島全体を指す名称である。この名称は、紀元前のギリシャの地理学者が「Prettanikē Nesoi(ブリタンニケー諸島)」と呼んだことに由来し、紀元前55年にイギリスを侵略したローマ人によって「Gran Britannia」というラテン語名が定着した。
ちなみに、「Prettanikē Nesoi」の「Nesoi(Νῆσοι)」はギリシャ語で「島々」を意味し、「Indonesia(Indos=インド、Nesos=島)→インド周辺の島々)」や「Polynesia(Poly=多い、Nesia=島々)」といった単語の語源にもなっている。
「Great Britain」と「大英帝国」
日本では、「Great Britain」を「大英帝国」と翻訳したが、これは誤解を生みやすい訳である。「大英帝国」には、「大」と「帝」の威厳あるニュアンスが含まれており、「Great Britain=偉大な英国」と誤解する人が多い。かつての私自身もその一人だった。
しかし、「Great Britain」の「Great」は「偉大な」という意味ではなく、フランス北西部の「Lesser Britain」または「Little Britain」(現在のブルターニュ地方、Brittany)と区別するために名付けられた地理的名称である。ただ単に「大きいブリテン」という意味にすぎない。これは「Giant Panda(ジャイアントパンダ)」と「Lesser Panda(レッサーパンダ)」の関係に似ている。
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「大韓民国」は「大英帝国」を参考にしたのか?
韓国の正式国名は英語では「Republic of Korea」だが、漢字では「大韓民国」と表記される。「大英帝国」という和製漢語が影響を与えた可能性があるのでは?と思っている。
1897年に成立した「大韓帝国」は、国際的な潮流に倣い、国名に「大」を冠することで威厳を示した。この流れを受けて、1948年に「大韓民国」が誕生した。したがって、「大英帝国」、「大日本帝国」や「大清帝国」など、当時の他国の命名法に影響を受けた可能性が高い(と思う。あくまで僕の推測)。
今回は、Great Britain にローマ人が侵略し、400年間支配した影響で、 英語がどのように変化したかを紹介したかったのに、ローマ人はまだ侵略していない状態で終わってしまった。しかも、何故か「大韓民国」まで登場(反省…🤦♂️)
次回は、紀元前55年にタイムマシンを飛ばし、ローマ人がGreat Britain を侵略した時代に焦点を当て、英語の形成に与えた影響について話したいと思う!(果たしてうまくいくかな… 🤔 まだ2,000年分残っている・・・🙄)
※ 参考文献・映像
(英語)
https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_English
https://en.wikipedia.org/wiki/Britannia
https://simple.wikipedia.org/wiki/Brittany
(韓国語)