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食品リサイクルの取り組み事例

先日、食品リサイクルの記事がBBCニュースに取り上げられていた。

日本の株式会社日本フードエコロジーセンターの取り組みで非常に興味を持った。同社のHPは、下記のとおり。

世界では毎年約13億トンもの食品が失われており、日本では年間約2000万トンが食品ロスとなっている。その膨大な量のうち、約半分にあたる1000万トンが焼却炉で処理されている。この焼却処理には、1トンあたり4~5万円という高額な費用がかかり、そのうちの半分は税金によって賄われている。ざっと計算すると、日本全体で年間5000億円もの焼却費がかかり、その半分、つまり2500億円が国民の税金でまかなわれていることになる。

そんな中で、高橋巧一氏が創設したこの会社は、一筋の光を放っている。食品関連業者から不要となった食品を受け入れ、発酵技術を用いて「食品リサイクル飼料」を生産している。しかも、火を使わずに1日あたり42トンものリサイクル飼料を生産することに成功している。稼働日を年間約240日とすると、その生産量は年間で約1万トンにのぼり、これだけで焼却処理にかかる費用換算で年間約48億円の節約に貢献している。CO2も削減出来ている。

さらに、この生産工程で発生するメタンガスも無駄にしない。電力に変換され、高温での発酵を促進するエネルギーや工場のオペレーションに必要な電力として再利用されている。このように、全てのプロセスが循環型に組み込まれており、無駄が一切ない。

この取り組みは、環境に優しいだけでなく、経済的にも大きなメリットをもたらしている。まさに、持続可能な社会のモデルといえるだろう。そして、この素晴らしい循環型のシステムが、世界中に広がっていくことを心から願わずにはいられない。