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世界ランキングと日本

選挙が近づいてきて「世界ランキング」という側面からこれからの日本を考えてみました。

今までの日本は、GDPや自動車生産台数、技術力といった分野で一定の成果を収め、国際的なランキングで上位に位置してきました。しかし、現在は、一人当たりGDPや幸福度、出生率などのランキングでは低迷し、社会のさまざまな課題が浮き彫りとなっています。この現象は、世界ランキングが映し出す「外的評価」と、そこで見失われがちな「本質的に大事なこと」とのギャップを示唆しています。

 1. 現在の日本のランキングが示すもの

経済の成果と限界
2023年は、日本はGDP世界第4位となったニュースは記憶に新しいです(IMF統計に基づく各国の名目ベースのGDPでドルベース)。一方、一人当たりGDPや労働生産性が他の先進国と比べて低い状況です。これにより、国の経済的な規模の大きさが必ずしも生活の豊かさや満足感につながっていないことが浮かび上がります。

2023年の世界の名目GDP 国際比較統計・ランキング

社会課題の可視化
日本は、技術力やインフラなどで世界的に高い評価を受ける一方で、幸福度ランキングや出生率は低迷しています。また、自殺率や高齢化率の高さも懸念材料です。これらの数値は、物質的な豊かさの追求の裏で社会の調和や人々の幸福が犠牲になっていることを暗示します。

持続可能性への疑問
環境政策においても、日本は経済成長と環境保護のバランスに苦労しており、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みも他国より遅れをとる面が指摘されています。短期的な目標に集中するあまり、未来の世代を見据えた社会づくりが軽視されているかもしれません。

2. 日本にとって今、本質的に大事なこと

幸福と調和の再構築
ランキングが経済的指標に偏重してきた一方で、今日本が求められるのは、幸福度の向上です。ブータンがGDPではなく「国民総幸福量(GNH)」を重視するように、日本も精神的な豊かさや社会的なつながりを評価する仕組みを考えるべきです。つまり、個々の幸福感にフォーカスし、仕事以外の時間を充実させるワークライフバランスの実現や地域社会の再生と、孤立しがちな高齢者や若年層へのサポートが出来る環境づくりです。

内発的な価値の探求
ランキングが外的評価に基づくものである以上、その順位に依存する限り、真の満足を得ることは難しいでしょう。ストア哲学が説くように、内面的な価値に目を向けることが求められます。つまり、他者と比較しない「自己成長」の重視  「今あるもの」に満足する感謝の精神です。

日本の伝統文化には、茶道や禅のように「簡素であることの豊かさ」を大切にする価値観が根付いています。これらの価値を再認識し、質素さと充実感のバランスを見直すことが必要です。

 多様な価値観の共存
グローバルなランキングは一律の数値基準に基づいていますが、これに対し、日本社会には「一つの正解」にとらわれず、多様な生き方を受け入れる必要があります。たとえば、キャリアの成功だけでなく、家族、趣味、地域活動に生きがいを見出すことも大切です。

つまり、成功の定義の多様化(経済的成功以外の生き方の承認)  や異なる世代や価値観の共存を目指した社会づくりです。

3. 日本社会が目指すべき方向性

ランキングを「手段」として捉える
ランキングは課題を浮き彫りにする有効なツールですが、それに執着するのではなく、自分たちにとって大切な価値を再確認する手助けとするべきです。例えば、GDPの順位が下がっても、国民の幸福度が上がることを真の目標とする姿勢が求められます。

持続可能で包摂的な社会
経済的成功に加え、社会の調和と持続可能性を追求することが必要です。ランキングにとらわれず、未来の世代に責任を果たせる社会の実現を目指すべきです。

具体的には以下でしょう。
環境と経済の共存:脱炭素社会への転換と新しい経済モデルの追求 
弱者少数派への配慮:すべての人が安心して暮らせる包摂的な社会

自己と社会のつながりの再構築
現代日本では個人が孤立しがちですが、人と人とのつながりを重視することが求められます。家族やコミュニティの絆を再構築し、他者との共感や協力を重視することで、社会全体の幸福が高まるでしょう。

4. ランキングを通じた価値の再発見

今の日本社会が必要とするのは、GDPや生産量といった外的な評価に囚われすぎることなく、内面の充実、他者との調和、多様な価値観の共存を追求することが、これからの日本に求められます。ランキングはあくまで「課題を示すための一つのツール」に過ぎません。ランキングをみて、日本の位置を知り、課題の解決(ソリューション)を考えるのはどうでしょうか。日本が未来に向かって進むためには、真に大切なものを見つめ直し、自分たちの価値観を再構築すること契機となるでしょう。

徒然でしたが、当たり前なことも多かったと思います。ランキングは現状を照らす鏡ではありますが、その鏡の向こう側にある本質的な価値に気づくことが、これからの日本の在り方にとって重要となるでしょうし、考える契機となればと思います。

そんなことも考えながら選挙に行こうと思います。