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ローカル重視で商売繁盛!

最近よく思うのは、日本に来るインバウンドの方々が増えてその文化的な違い、所作や作法の違いなどを目の当たりにし、「ローカリゼーション(現地理解と現地化)」を強く感じるようなりました。当然ですが、世界には様々な文化や価値観があり、国によって消費者の行動や考え方は大きく異なります。そのため、特定の国や文化圏とビジネスをしようとするときは、その現地の文化や言語に適応することが今後ますます大事になるなとつくづく感じています。
ローカリゼーション(現地理解)が成功すれば、現地の消費者に受け入れられ、市場での成功につながるからです。もし、文化や言葉の違いを無視してしまうと、思わぬ誤解を招き、ブランドの信頼を失う可能性があります。今回は最近話題になった成功と失敗事例をまとめてみました。

ローカリゼーションの失敗例

ドルチェ&ガッバーナの中国向け広告
失敗の原因

  イタリアの高級ブランド「ドルチェ&ガッバーナ」が中国向けに作った広告の内容が、中国の消費者にとって 「文化を軽視している」と受け取られ、大きな炎上につながりました。以下が広告映像です。

失敗のポイント
現地の文化や感情を軽視してしまったこと。広告やマーケティングを行う際には、現地の価値観や歴史に配慮することが重要です。

KFCの中国市場進出
失敗の原因

KFCはアメリカで使っていたスローガン 「Finger-lickin' good(指をなめたくなるほど美味しい)」 を中国語に直訳しました。しかし、その翻訳が 「指を食べてしまえ」という意味になってしまい、ブランドイメージを損なってしまいました。
失敗のポイント
直訳に頼りすぎたこと。文化的な背景を考慮せずに翻訳したため、消費者に誤った印象を与えてしまいました。最近特にAIによる翻訳などで何か違うぞと違和感を感じるのはこんなところかなと思います。

ホンダ「フィット」のネーミング(欧州市場)
失敗の原因

日本では大人気の「フィット(Fit)」という車を欧州市場でも展開しようとしました。しかし、「Fit」という単語が スウェーデンやノルウェーでは「性的興奮」を意味するスラングだったため、現地では受け入れられず、名前を「ジャズ(Jazz)」に変更しました。
失敗のポイント 
 現地の言葉の意味を十分に調査しなかったこと。 ブランド名がネガティブな意味を持つ場合、その市場では受け入れられにくくなります。

失敗は、誰にでもあることなのでここから何を学んだかが大切です。

逆に成功例を見てみよう。

ローカリゼーションの成功例

ナイキの東アジア市場戦略
成功のポイント
  
ナイキは、欧米のスポーツブランドのような「自己主張の強い広告」ではなく、日本や東アジアの文化に合った 「謙譲の精神」を取り入れた広告を展開しました。その結果、東アジア市場で大きな成功を収めました。

成功の秘訣
ターゲット市場の価値観を理解し、それに合ったブランドイメージを作ったこと。単に欧米のスタイルを押し付けるのではなく、現地の文化に寄り添ったアプローチが功を奏しました。

マクドナルド(McDonald's)
成功のポイント
  
各国の食文化に合わせたメニューを開発し、以下のように対応しました。
インド:宗教的背景を考慮し、牛肉を使わず「マック・マハラジャ(チキンバーガー)」を提供

日本:「てりやきバーガー」「月見バーガー」など、日本人の好みに合わせた商品を販売

中国:朝食メニューに「お粥」を導入

成功の秘訣「世界共通の商品」と「現地に合わせた商品」をバランスよく提供したこと。消費者が親しみやすいメニューを追加することで、受け入れられやすくなりました。

Netflix
成功のポイント
  
各国の文化や視聴者の好みに応じたオリジナルコンテンツを制作しました。
韓国:「イカゲーム」などの韓国ドラマを世界的にヒットさせた
インド:低価格のモバイル専用プランを導入

成功の秘訣  
現地のクリエイターと協力し、その国の文化や価値観を反映したコンテンツを作ったこと。これにより、視聴者に共感されやすくなり、ブランドの信頼性も高まりました。

ローカリゼーション成功のためのポイント

現地の文化や価値観を理解する
消費者の考え方や行動パターンを知ることが重要
言葉の意味だけでなく、背景にある文化も考慮する

言葉の翻訳だけでなく、意味やニュアンスを適切に伝える
直訳ではなく、現地の消費者に自然に伝わる表現を選ぶ。
AI翻訳要注意。スローガンやブランド名の意味を十分に調査する。

現地の専門家と協力する
現地のマーケティングチームや文化の専門家と連携することで、適切なアプローチが可能になる

テストマーケティングを実施する
実際の消費者の反応を確認し、問題があれば修正する

「世界共通のブランドイメージ」と「現地のニーズ」のバランスを取る
どの市場でも同じブランドの強みを活かしつつ、現地に適した要素を取り入れる

まとめ
ローカリゼーションの成否は、 「現地の文化や価値観をどれだけ理解し、適応できるか」にかかっています。  あたりまえですが、なかなかできてないのではないでしょうか。例えば、アメリカ人が現地そのままの製品を同じ方法で日本で売ろうとしても売れないですし、日本の製品を日本と同じように中国で売れるかといえば売れないしです。中には、それを理解している人もいるのでしょうが、国や人や時によってマーケティングの刺さり方が全く違うということは確か。なので、ローカリゼーションを考慮した訴求方法も商売繁盛の分かれ目と思います。