当たり前のことだが、現代国際法では武力を用いた領域取得(いわゆる「征服」)は認められていない。
また、武力行使に基づいて締結された条約は無効とされているので、強制的に締結された領土割譲条約は無効とされている。
言うまでもないが、ロシアは国連の安全保障理事会の常任理事国である。常任理事国が堂々と国連憲章を無視するという・・・
プーチンの要求は、征服や強制的な合意による割譲が認められる「伝統的国際法」そのものだ。つまり第二次世界大戦以前の国際法だ。
今の日本に、「伝統的国際法」の世界で生き残れる力はあるだろうか?
軍隊も核も、持つことができない。自力での防衛が不可能なうえに、抑止力すらない。
NATOとは「パートナー」であるにすぎない。
アメリカが頼れるか?もはや彼の国にそんな余力はなさそうだ。その上、トランプが大統領に返り咲いたら、日本の安全保障への関心はさらに薄くなりそうだ。
だから、ウクライナは他人事ではない。
「伝統的国際法」が正当化された時、日本に何が起こるかを想像しなければならない。