またしても「保健所に丸投げ」になるのでは?という懸念
「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(案)に対する意見募集(パブリック・コメント)について|e-Govパブリック・コメント
「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(苦笑)(案)について、もう一つ、重大な点を忘れていた。
このままでは、またしても保健所にしわ寄せがくるのではないか、という懸念だ。
30年で保健所は半減している👇。そのような状況下で、今回の騒動だった。現場の混乱は想像するに余りある。
「国民の健康を守る」、と言うのであれば、保健所の再整備が喫緊の課題ではないのか、とここ数年ずっと感じている。
児玉慎一郎先生の書籍から
2020年8月下旬
10月13日の保健所での会議にて
当たり前のことだが、保健所は感染症屋さんではない。
私にとって最もかかわりが深いのは「難病対策」だ。
精神保健福祉は、私は研修医時代に1か月だけ保健所で現場で研修させていただいたが、相談や紹介だけでなく、医療につながっていない方々の自宅を訪問したり、時間外呼び出しも頻繁だったり、となかなか激務であった。
そもそも、感染症に対する対応だけでも多岐にわたるのだ👇
そこで、保健所を再整備する意思が少しでも読み取れないか、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(苦笑)(案)のP.175からの「保健」における「準備期」の対応を確認した。
なんとも曖昧な表現だが、少なくとも非常時のみ「応援を寄越す」つもりしかないように読み取れた。
結局、絵にかいた餅のような「ICT」や、責任の所在が不明瞭になるリスクの高い「外部委託」に頼るのか・・・
その後の内容も確認したが、再整備を明言した箇所はなかった。曖昧な表現を解釈すれば、再整備を意図しているかも、と読み取れないこともないが・・・という印象だった。
でも、やはり結局は現場に丸投げするつもりなのかも・・・と疑わざるを得ない記載があった👇
「都道府県は」でも「国は」でもなく、「保健所は」、だそうだ。
そして、いざ騒動が始まると、楊井氏が仰るところの「封じ込め」ありきで、「有事」対応を回避するシナリオや、「封じ込め」を断念するシナリオが入っていない計画をもとに、終わりが見えない上に、社会にとっての有害かもしれない対応に、現場は負われ続けるのだ。
2023年1月16日に全国保健所長会が厚労省に宛てた、現場の悲鳴にも似た意見書について、この計画書は全く反映されていないように思う。
現場の貴重な意見を反映する気がないのなら、せめてマンパワーを増やしてあげて欲しい・・・