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脳神経内科医の長所と短所について

 👇はひとまず朗報だ。
 この薬を扱う者に脳神経内科医が占める割合は多いと思うが、少なくとも私の周囲の脳神経内科医とそのスタッフで、このアミロイドβに対する抗体医薬を礼賛している者は皆無だ。

バイオジェン株下落、アルツハイマー病新薬の低調な出足で - Bloomberg

同日の発表によると、エーザイと共同開発したアルツハイマー病治療薬「レケンビ(一般名レカネマブ)」の治療をこれまでに受けた患者数は2000人にとどまった。3月末までに1万人に投与する目標を達成できない恐れを警告するものだ。
  ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ローラ・チコ氏はリポートで、米金融業界はレケンビの予測を見直す必要があると指摘。

 この抗体医薬については、今までも散々疑念を提示してきた。
 なので、この流れは医学における常識的判断が当たり前に働いた結果に過ぎないと思っている。

レカネマブ、正直どうなの?|輝くような黄色 (note.com)
レカネマブへの警戒と、コリンエステラーゼ阻害薬の有効性と、開発し続けなければならない宿命について。|輝くような黄色 (note.com)
レカネマブが抱える倫理的問題について|輝くような黄色 (note.com)
レカネマブ、発売だってよ|輝くような黄色 (note.com)

 でも、これは脳神経内科医相手だからこそ、このような販売低調の流れとなったのではないか、とも思っている。
 私が描いている脳神経内科医のイメージは以下のようだ。
理屈っぽいこと、
「疾患は、薬剤である程度コントロールできても、治療できるものは少ない。いや、そもそも薬剤でコントロールできる疾患自体が実は少ない・・・」という発想が他科の医師よりも強いこと、
・それゆえ治療行為による一時的な改善よりも長期的に起こる不都合に目が行きがちであること、
・何より他科に比べて「古き良き内科」の性格を残していること、
このあたりの性格が影響しているのではないか、と思う。

 ところで「古き良き内科」の性格、とは、
 血液検査(時に髄液検査)や生理検査(脳波、神経伝導検査、筋電図など)や画像検査(MRIやRI)を重要な根拠としつつも、
 あくまでも診断の根拠として最重要視するのは、
患者本人の身体症状であり(神経学的所見から解剖学的診断)
・病歴であり
(発症が突発性か急性か亜急性か慢性か、あるいは突発再発性か急性再発性か、などから病因的診断)
患者本人や介護者の訴えであり、
薬剤介入による効果である。しかも、効果として採用されるのは、患者評価による主観的な改善と、介護者や医療者の評価による客観的な改善が一致しているものに限る。

(なお、神経内科診察を知るためには、24年前に発売された👇の書籍が、今でも最強だ)
神経内科ケース・スタディー―病変部位決定の仕方 | 黒田 康夫 |本 | 通販 | Amazon

 さらに、脳梗塞急性期などを除けば、クリニカルパスにすら適さない、非常に個別性の強い医療を提供しなければならない疾患が多いのだ。特に神経難病はそうだ。
 もちろんガイドラインをスタンダードとして頭に入れておくのは当然だ。でも、それをただなぞるのではなく、ガイドラインが前提として持つ発想を理解したうえで、応用し、時には根拠を持って外れたりして、いかに個別的に対応するかが重要になる。
 個別的対応については、自分の言葉で説明できればいいのだ。
 最も怠惰なのは、ガイドラインを口実に思考停止することなのだ。

 早い話が、コロナ騒動を引き起こしていた感染症屋を名乗る似非医者どもとは、完全に真逆な発想、ということである。

 ただ、「古き良き」ゆえか、なんだか目立たないのだ。
 そもそも、「脳神経内科」、というが、脳、脊髄、末梢神経、自律神経、筋、と結局ほぼ全身を見ている。免疫疾患も多い。難病も多い。だから結局一般内科の知識も取り入れざるを得ない。しかもそこに精神疾患までもからんでくる。守備範囲は異常に広い。
 本当は「内科」じゃなくて「脳神経科(Neurologist)」なのにな、本当は整形外科や脳神経外科や精神科の方が関りは深いはずなのにな・・・いつまで日本神経学会は日本内科学会の傘下扱いなんだよ・・・と常に愚痴りながらジェネラリストのようにならざるを得ない。

 だから、他科の専門性にまで関与している余裕はない。
 しかも、世の中にとっては、診療の知恵や技(患者の話から如何なる情報を得るか、一つの身体所見から何を考えるか、など)よりも、専門性の高い手技や検査の方が分かりやすい(このあたりはケアと治療の関係と同じ)から、どうアピールしたらいいのかがわからない。
 そもそも、オタク気質が強い人が多い(ように感じざるを得ない)ので、外にガンガン喧伝すること自体に関心のある人間が少ないようにも感じる。
 
 結果、アピールをあきらめる。「自身の仕事が研究ができればそれでよい」となり、大勢に流されることに対して警戒を向けなくなる。
 警戒しないので、他科の偉い先生が言ってるのなら間違いないんだろう、といつも自身の専門性に向けている厳しい評価を外側には向けない
 しかし、相手は自分たちほどには「善良」ではない。声がでかいし、ロビー活動にも長けている。自己顕示の権化が神経学会内以上にウヨウヨしている。
 そして気が付くと、相手が作りあげた大きな流れに飲み込まれ、なんとなく追従してしまっている。
 気が付くとシステムに加担してしまっている。アイヒマンのように。

 コロナ対策禍及びワクチン禍における多くの脳神経内科医の態度は、まさにこれであったとしか言いようがない。
 それにしても・・・・ワクチン禍への加担に関しては、HANS(HPV waccination-associated neuro-immunopathic syndrome : HPVワクチン接種関連神経免疫異常症候群)が先行して存在していた、というのに。ワクチン関連のADEM(急性散在性脳脊髄炎)も、GBS(ギランバレー症候群)も以前から珍しくなかったというのに。本当に残念としか言いようがない。


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