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4月から海外の高校に留学した生徒の1年留学の半年が過ぎた現状。最大の悩みは帰国後間違いなく数学の成績が英語の成績を超えてしまうこと。

中学3年間の数学の成績が安定の10段階で4。英語は10段階で8または9の生徒が1年間の海外留学を終えて帰国したら、数学の成績が英語の成績をおそらく超えてしまう。

どんな可能性を考えてもあり得ない話だと思います。

英語力を伸ばすために海外の高校で勉強して、他の教科を犠牲にしてまでして英語力を伸ばそうと海外留学を選んでいる生徒が、英語よりも数学が得意になって帰国するというのは不思議な話です。

ただ、現在今年の4月から海外の高校に留学している生徒が、留学7か月経った今、真剣に、というか、間違いなく数学は学校内で上位にいくだろうが、英語の成績は上位を維持できるだろうが、他にも留学している生徒もいるし、英語力も高い生徒がいるので圧倒的という自信はない。

というのが現時点での正直な結論です。

どうしてこうなったのか?

大きく分けて、3つ理由があると考えています。

本人が理系学部を切実に希望していること
女子校は数学苦手な生徒が多いので成績を伸ばしやすい
オーストラリアの数学のカリキュラムが追い風になった

留学前の彼女に関して書いたブログもよかったらご覧ください

本人が理系学部を切実に希望していること

夢を、希望を叶えたい。という気持ちが強い。のが一番のモチベーションです。今まで数学の成績が振るわなかった理由も明白で、学校の数学の授業のスピードが彼女にとっては少し早すぎただけです。

そのために彼女の数学を伸ばすために行ったことは、

テキストの解説を見ない。

を徹底させました。数学は、問題の解き方がいくつかある場合が多く、テキストの解説が絶対ではなく、生徒に一番合った説明をすることで理解を早くさせる。が本当に大切です。とにかく私の解説を信じて、それがその生徒に一番理解しやすい考え方であると思って学習に取り組んでほしいわけです。

特に、分数やルートや大きな数など数字が複雑になったり、大きくなると問題は解きにくいと錯覚してしまいます。

例えば、このような問題がありました。

サイコロを6回投げる。6の目がちょうど3回出る確率は?

このような問題が理解できなかったら、

サイコロを3回投げる。6の目がちょうど2回出る確率は?

数を少なくしてみます。そうすれば、計算しなくても、一つ目のさいころが6,二つ目のさいころも6,3つ目のさいころだけ、1,2,3,4,5のどれか。

となります。5通りですよね。

ただ、(6,6,他) (6,他,6) (他,6,6) と3通り組合せがあるので合計で15通りになります。

繰り合わせの総数は6の3乗ですので、216となりますので、 15/216つまり、5/72となります。

慣れてきたら、数字を増やしていく。そして、先ほどの問題にたどり着くようにするわけです。当然類題を出して理解を強くしていきます。

また、仮に英語力が高くても、不特定多数の人と話すのが苦手な人もいると思います。仕事のためにおじさんにお世辞を言ったり、クレーマーに絡まれたくない。理系の仕事であれば、そのような確率は激減するわけです。

女子校は数学苦手な生徒が多いので成績を伸ばしやすい

日本でも海外でも、それぞれの教科の得点の男女比を調べれば、数学は男子の方が得点は高く、国語や英語は女子の方が高くなっています。基本、例外はありません。

結果は大切です。凄く自信になります。

そうすると、男子がたくさんいる共学校や進学校ではいくら頑張っても越えなければならないハードルが高すぎて頑張っても結果が伴わないわけです。

現在、彼女が通っている高校は公立の学校でそれなりに進学率が高い程度の学校なので成績が伸びやすい素地があるわけです。

現在、カナダに留学している生徒の場合は、進学校で、かつ共学校なので、そのハードルは高いですが、本人も乗り越える覚悟は次第に付いてきたように感じます。その生徒も長所も短所もしっかりと分析できているし、本人にも伝えているので克服してくれると思います。

女子の場合は、他人に勝った、負けたには興味がなく、あくまでも自分が頑張った。目標に届くように頑張るわけで、共学校の女子の文系比率の高さはそのような理由だと感じます。女子の場合は、その個性を伸ばしている家庭教師を探して計画を立てて将来の夢に進む方が効率的です。

英語圏で好成績を残している中国系の女子が典型例です。

オーストラリアの数学のカリキュラムが追い風になった

これは嬉しい誤算ですが、彼女が選択したオーストラリアの数学が相当な追い風になっています。

この学習計画を見てください。

対数関数を学びました
日本では大学で学ぶ行列も高校1年から学び始めます
当然ベクトルからの複素数平面も現在学んでいます

数学Cで学ぶ、complex numbers(複素数平面)やベクトル 数学Ⅱで学ぶlogarithm(対数)、日本では大学で学ぶmatrices(行列)がオーストラリアのyear10(高校1年生)で学べるのは日本の大学入試を視野に入れた場合は本当にありがたいです。

女子に数学を教える上で何よりも大切なのは、分野ごとの時間配分。

女子の苦手な分野は、基本的に確率、図形や関数のグラフの読み取り、証明問題が中心になります。男子の場合は、数学の成績が高い生徒は基本的に得意苦手が少ないわけです。

つまり、日本でまだ学習していない分野の勉強で基礎的な問題が多くなるので、比較的時間に余裕ができます。その余った時間を、苦手な分野に投入することができるわけです。

微分や積分に時間を費やさないで、数列や三角関数、自然対数に時間を投入するわけです。

もちろん、基礎的なことを学ぶのですが、事前にベクトルや複素数平面、対数関数を理解しておくのは本当に大きいわけです。

目先の結果に一喜一憂しても仕方がない。

私たちには3人子供がいますが、2人の男子は野球をしていました。同じ学校の先輩に現在オリックスで活躍している紅林弘太郎選手がいます。プロ野球のオールスターにも何度も選ばれていますし、今回も22歳ながらWBCの日本代表にも選ばれました。

彼は、本当に寡黙で、野球の能力は飛びぬけてはいましたが自慢することも威張ることもなく、すごいのは小学校でも中学校でもピッチャーすらやることはほとんどありませんでした。(捕手か遊撃手のみ)中学校も部員が集まるかどうかの弱小野球部出身ですし、高校も県外の人は誰も知らない公立無名野球部出身です。それでも、甲子園にも出場しているわけでもないのに、高校日本代表チームにも選ばれ、ドラフトでも2位指名を受けました。

中学時代の超エリートが集まって甲子園で活躍したチームでも、数年に一人プロ野球選手が出ればいい方です。

野球は素質が大事ですが、勉強に関しても素質が仮にあっても大成しない人も多く、逆にあるきっかけで大化けする人もいるわけです。

話は少し逸れてしまいましたが、私が言いたいのは、中学入試や高校入試がゴールではなく、大学入試が本当に大切だということです。医師を目指す人は、医学部に入学することが医師になるための最低条件になるわけで、進学校に合格することが条件にはなっていません。その前に女子の場合は数学でつぶされている生徒を何度も見てきたわけです。

彼女とおととい話した時に、中学の確率の授業の話になった時に、その確率が中心になった定期テストが100点中12点だったようです。

私と会う前の話ですが、その生徒が今は数学が一番の得意教科になっているわけで本当に良かったです。(いろんな人から、得意教科は?聞かれた時に数学と言っているようです。)

ただ、これから日本に帰国してから、日本の大学入試に対応するための準備もしなければいけないわけです。今後は今以上に対辺になると思いますが、気持ちを切らさずに後2年ちょっと頑張ってほしいと願っています。

せっかく海外に留学しているので、数学レベルに英語力も付けてほしいです!

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