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トランプ大統領が大好きなグリーンランドをグリーンランドオタクの私が信じられない生活を伝えます


グリーンランド国旗

トランプ大統領がグリーンランドを買いたい。と発言してからいきなり脚光を浴びたグリーンランド。レアアースや天然資源に恵まれており、対ロシアの軍事基地などがから注目されていますが、グリーンランドは日本の国土の6倍弱の面積を持ち、縦長の地形で南北の長さは2600km以上で、人口密度は0.026人/km²と、国土の80%が通年雪で覆われており、それぞれの地域はすべて道路をつながっておらず孤立しています。同緯度の隣にアイスランドがありますが、アイスランドはメキシコ湾海流(アメリカ湾?)の影響で温暖な気候と比較して生活が不便で、国土全体は木が生育できないタンドラ気候です。

今日はQaanaaq(カナーク)を中心とした北極圏でグリーンランド最北の地、北グリーンランドに焦点を当てて驚きの生活を伝えられればと思います。

今までにグリーンランドのことに関してブログに書いていたものも見ていただければと思います。

グリーンランドは文化圏で大きく3つに分かれます。カナークを中心とした北グリーンランドで総人口は800人未満、Tasiiraq(タシーラク)を中心とした東グリーンランドは3000人弱。Ittoqqortoormiit(イトコトミット)も含みます。残りの50000人以上は西グリーンランドとなります。違いは、言葉が違います。一般的にグリーンランド語と言われているのは、カラリサットと言っていますが、西グリーンランドの言葉です。また、民族衣装が微妙だけど違います。文化も違うわけです。

今日書くのは北緯75度付近の北グリーンランドになります。

夏は4か月日が沈まない。冬は4か月日が昇らない。

北グリーンランドでは、深夜0時に太陽を見ることができます。4月から8月までの4か月間も太陽は沈まないわけです。その代わり、冬は4か月昼の12時でも真っ暗な生活をしなければなりません。4か月日が昇らないんですよ。信じられますか?ただ、4か月日は登らないですが、海上の水平線からかすかに光る光や、日本語ではどのように言うかわかりませんが、civil twilightや他にも星や惑星の光が照るので何とかしてくるようです。

首都Nuukのオーロラ

グリーンランドの学校は欧米と同じカレンダー

グリーンランドの学校は、8月下旬に学校が始まり、クリスマスホリデーやイースターなどの数週間の休みがあり、6月から8月20日ころまで夏休みです。つまり、真っ暗な中で学校に通うことになります。

現在グリーンランド最北の町はシオラパルク

北グリーンランドは、Qaanaaq(カナーク)という人口600人以上が住む村があり、近隣にSiorapaluk(シオラパルク)Qeqertat(ケケタット)という人口30人前後の村(settlement)があります。以前は、Etahという村も存在していたのですが、現在はありません。Etahがそれまではグリーンランド最北の町でしたが、現在はシオラパルクがグリーンランド最北の町です。

シオラパルク

小さな村でも学校はあります。

カナークは学校が一つあり、生徒も150名ほど在籍しています。学校は、義務教育の1年生から10年生とドイツや北欧などのギムナジウムが2年間ありますが、将来大学を目指す生徒は、secondaryとして、GUXという大学進学準備コースもある学校に進学します。これは、upper secondaryと言われており、グリーンランドの4つの地域にあり、首都ヌークにある、GUX Nuuk、シシミウトにある、KTI、アシアットにある、GUX Aasiaatと、カコトークにある、Campus Kujalleqとなります。GUXに進学する場合は寮になりますが、費用などは安くなっています。

ケケタットには学校があるようです。と言っても、30人の村ですので、生徒は2名から4名ほどですが先生もいます。一方、シオラパルクは学校がありませんが、教会の中に図書館と子供を教える学校のようなものが存在しており、4年前の情報では、生徒が2名いるようです。一人の生徒の父親が資格を取って教えているようです。シオラパルクもケケタットも定期的にカナークの学校に行って同年代の生徒と交流を楽しんでいるようです。

氷河です

日本人には非常に馴染み深いシオラパルク

シオラパルク(私はサイオラパルクだと思っていましたが日本ではシオラパルクが使われています。)は北極に近い村ということもあり、日本の探検家が数名住んでいたことがあります。有名な植村直己さんや大島さん、他にも若狭さんという方も聞いたことがあります。

大島育夫さんの、インタビューを聞いたことがあるのですが、グリーンランド語とは違う、これが噂のInuktunなのか?と興奮しました。学校では標準のグリーンランド語で教えているようです。

日本人では想像できない過酷な日常生活

シオラパルクには、基本水道はなく、共同水道を使っているようです。冬は一日中夜で海も凍ってしまいます。ですので、夏に水をタンクに貯めておいて断熱材や地中にタンクを埋めて凍らないようにしているようです。風呂も水をためて限界まで使うようです。

トイレは日本人が想像できない過酷さです

トイレはグリーンランドの都心以外は、トイレに黒いビニール袋を張って用を足すのが基本で、それを回収業者が集めてくれます。それをそのまま捨てる場合もあり、そうでなくても集積場で封を切って海に垂れ流します。もちろん漏れて匂いが充満する場合もあるようです。

焼却場が、Nuuk , Sisimiut, Aasiaat, Ilulissat, Qaqortoqの5つの町しかないので、自然焼却や直接放置が基本です。ですので海は汚いです。燃やせないものは、少し離れた場所に自然放置です。

処理映像もありますが、吐き気がする可能性もあるので無理には絶対に見ないでください。

政府の援助でインターネットは使えます

北グリーンランドでもテレビを見れたり、インターネットも使えます。電気も問題ないようです。商品は冬は海が凍り付いて船が使えないので夏に2回ほどカナークに届けられます。総合スーパーマーケットもあります。後は空輸です。

村は漁師町のような感じです。

シオラパルクは20件ほど住宅がありますが、それは、ほとんど固まっています。ケケタットも同じ感じですが、シオラパルクはわずかですが砂のあるビーチがあります。ケケタットは完全な岩場で、両端が海に囲まれています。ですので、車を利用する必要もありません。

深刻な日本の数倍の速さで進む地球温暖化

北極圏は海面の日光吸収量などで一番地球温暖化の影響を受けやすく、グリーンランドの地球温暖化は日本以上に深刻です。万年雪の場所が1キロ先にまで伸びてしまった。などと大島さんも語っていましたし、犬ぞりを使いたくても雪が減っていき、以前は10月には雪ぞりを使えたが、12月になってしまったなどと言っていました。また春には雪ぞりは使えなくなってしまったとも言っていました。

海温度が1度違うだけでも海中の魚は敏感で漁も変わってしまう。基本的に生活は漁業とアザラシなどの猟となりますので、村がつぶれてしまうのではないかと危機感を強めているようです。

グリーンランドは8割が氷で覆われており、その高さも中心は余裕で3000mを超えています。この氷がすべて溶けてしまえば海抜は数メートル上昇してしまうと言われています。

獲れる魚は?

北グリーンランドでは、arctic char 北極イワナ、arctic cod 北極タラ、halibut カレイの中までヒラメに似ています。Halibutは日本ではあまり受け入れられていませんが、ステーキに合うのでヨーロッパでは人気があります。codと言えば、fish and chipsの定番です。

Halibut

ただ漁師さんの話によると、海路が温暖化で変わってしまって本当に苦労しているようです。北グリーンランドの伝統料理はキビヤックとも言われています。伝統的な発酵食品で私は臭いというイメージしかないですが、イヌイットの定番です。アザラシの中に海鳥を詰め込むという手法です。

グリーンランドは魅力的ですが、住みたいとは思わない?

グリーンランドに興味を持ったのは、海外の学校はアサイメントで地球温暖化に関して調べる課題がよく出ます。生物の授業であれば二酸化炭素に関わる生態系から、地理であれば、自分の住んでいる地域の問題、例えば山火事など、英語であれば文章構成に重点を置いたプレゼンテーションなど、また入試問題や面接対策で地球温暖化が出題される比率は高く、気候変動は世界全体が考えなければならない社会問題で、その中でグリーンランドの生活を調べていく中で興味を持ってしまいました。

ただ住みたいか?

と、聞かれたら、

住みたいとは思わない。

と答えるしかないです。

今回は北グリーンランドにフォーカスを当てて書きましたが、また教育面や海の生態系などに焦点を当てて描いてみたいと思います。


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