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英検1級合格者や東大模試A判定の生徒がどのようなレベルかを理解することで勉強のモチベーションを上げるという方法

先月英検1級に合格した生徒が、中学生の時に、数学の勉強を英語でしている時に、このような問題を出題しました。

What is the subject of this formula?
y = 2x + 1

その時は理解できなかったわけです。subjectって主語?formulaって公式?

この公式の主語は何ですか?

だったらyということ?

正解です。

subjectっていろんな意味がありますよね。名詞なら主題や教科、科目、主語、形容詞なら、subject toで影響を受けやすい。とか、subject to school rulesで学校の規則に従う。とか、subject to permitsにすれば、許可が下り次第。のように重要な使い方があります。動詞なら服従させる。とか、受け身で、受けさせられた。のような意味にもなります。

英文を読んで問題が解けたのに、数学のための勉強だけではなく、英語力を上げることも含めての勉強だったのですごく悔しかったようでした。

この生徒は、この時に英語を一つの単語で理解するのではなく、文章の中で全体のイメージを瞬時に把握して解く力を付けなくてはいけないということを学んだようでした。

つまり、上記のWhat is the subject of this formula?

この式は何(アルファベット)について解いていますか。

と理解しなければならない。ということです。

同じ時期にこの生徒に、簡単な三角関数の問題を出題しました。(当時習い始めていた時だったので)

The angles of elevation of an aeroplane flying vertically above the ground, as observed from the two consecutive stones, 1 km apart; are 45°and 60° aeroplane from the ground is;

という、問題を出題しました。

この問題を出題した意図は、私がその生徒に伝えたことは、現時点(2年前)では、この問題に出題されている英単語で見たことの無い単語はないと思うけど、おそらく正確には訳せないと思う。だけど、英検の1級が取れるようになれば、この問題は15秒くらいで、文章全体の意味が普通に把握できると思う。実際に、英検1級を合格した生徒2人にこの問題を見せたら普通に文章を当然把握して、問題もすぐに解けた。

この問題の日本語訳はあえて伝えませんでした。それは意図があって、

その代わりに、その生徒には、英検1級レベルになると、日本語に訳さなくても問題文を読んだら、

このようにこの問題がイメージできるような英語の勉強をしてほしい。

と伝えました。

つまり、英語は日本語に訳して覚えるのではなく、英語はイメージで理解してほしい。というメッセージとして、伝えました。

つまり、英語力が上がれば、数学の問題であろうが、英語で書かれた文章であろうが、日本語で書かれた文章と同じような理解の仕方ができるということです。

実際に英検1級に合格している生徒が、どのくらいの速さで正確に理解できるかを常にその生徒に意識させて教えていました。つまり、文法や日本語訳に重点を置かないで教えたわけです。

数学でも同じことです。

この夏休みにイギリスに現在留学している生徒に数学の集中特訓を現在行っています。目的はALEVELに備えての数学の強化です。

GCSEのfurther mathでもそれなりの得点は取れていたようです。

ただGCSEの数学は基礎的な問題も多く、日本の同じ高校1年生がGCSEの数学の問題を日本語で解けば、東京大学を狙っているレベルの生徒であれば、余裕で満点が取れる問題です。

当然イギリスには、トップレベルの生徒はほとんどがインド、中国系中心ですが、東大理系レベルは山ほどいるわけです。

ということで、高校数学の中では短時間で教えやすい指数対数関数をみっちりやってトップレベルを体感してもらうことにしました。

このトップレベル体験の意図は、イギリスでも本当の意味で上位を狙っている人は、ALEVELのテキスト以上のことをやっているわけで、それは日本の高校生と全く変わりありません。

今日は、その留学生に2週間前に出題した対数不等式の問題です。

対数関数がわからない人でも、躓きやすいポイントを理解できるように説明できればと思います。

問題はこちら。

そして、その問題の解説はこちらになります。


まず、この問題を解く前に

なぜ不等式で多くの生徒が躓いてしまうのか?ということに関して解説したいと思います。

不等式は、方程式を解く作業にプラスして、答えになる例えばxの範囲についても解かなければなりません。これが、マイナスからプラスに変わると不等号が逆になったり、xの範囲を明示しなければならないわけです。つまり、大切な集中力が途切れやすい状態になりやすいわけです。

対数関数はさらに対数の底や真数が1より大きいか1より小さいかで不等号が変わるのですが、その作業がさらに複雑になっているのでどうしても混乱してしまいます。

では、ポイントを指摘します。


つまり、底が1より小さい場合で、さらに真数が1より小さい場合は、それぞれの条件を満たす数であれば、答えは必ず正の数になります。

こんな感じです。

このように、対数に限らず法則は、暗記で覚えるのではなく、多くの問題を解きながら、自然と理解していくのが理想だと思います。

もう一つ

このように、底と真数が0より大きく1より小さい場合の底と真数の関係もすごく複雑です。

この場合のポイントは、

どうして、x<y<1となるのか?

解説がわからなかった場合には、無理に理解する必要性はないと思います。

常に生徒には、わからなかったら少しでも早く理解できるようになりたい。と、思う気持ちを抑えて、問題を今後こなす中で自然と形にしていくようにしてもらいたいと思っています。

私自身が教える時には、英語力と、国語力をとても重要視しています。それは、数学の成績を伸ばすには、数学の今までの学力よりも、私の説明を確実に理解してもらえる言語理解力が大切だと思っているからです。

つまり、英語力の高い生徒は、説明したことを理解する能力が高いので、数学が苦手になった理由は、問題が解けなくて、単純につまらなくなっただけだと思います。

高いレベルの勉強を理解するメリット

現在イギリスに留学している生徒が、この夏休みに集中的に数学の勉強をして本当に良かったと言ってくれています。

今まで、自分の学力が十分でないことはわかっていたそうです。

ただ、それは比較対象が結果だけであって、内容や分析ではなかったわけで、理解もとても抽象的なものだったわけです。

今回、具体的に、何が自分に足りなかったかわかった。そうすると、自分が何をするかを自分で考えられるようになるわけです。

また、高いレベルを経験することで、自分に足りなかったことを埋め合わせれば、トップレベルに行くのは可能だということ。ただ、そのためには、普通の常識とは少し違った視点で対策を練らなければならないこと。

もちろん意識として、トップレベルの生徒と自分の勉強に対する意識が違い過ぎること。その結果、自分のなりたい夢を遠慮なく言えるようになってしまう。

つまり夢と現実の学力がかけ離れているために、逆に好きな夢を平気で言えるということ。トップレベルの生徒は、目標に近づいているために、間違っても楽観視できないからこそ、今やるべきことを理解しているということ。

英語力があれば、数学嫌いは対策次第では克服ができること。そして、国語力があれば、英語も数学も克服ができることがわかってもらえればうれしいです。

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