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なぜ高校数学で多くの脱落者が出てしまうのか?A-LEVELの試験まであと1年半。冬休みの数学猛特訓。三角関数で、Hence, or otherwiseを理解する。

今日は難しい数学の解説も英語訳もなしで、なぜ高校数学で多くの脱落者ができるのかを書いていきたいと考えています。

中学まではそれほど数学は苦手ではなかったのに、高校数学が始まると授業についていけなくなり、脱落者が不思議と出てきます。

中学数学までは数学も暗記科目だったかもしれません。

というのも、公式を覚えて、その公式を出題された問題を理解して当てはめれば答えを導き出すことができたわけで、数学以外の教科と同じ勉強方法でも問題なかったわけです。

それが、高校数学が始まると、公式をただ覚えただけでは対応するのが困難になってしまうわけです。解説を読んでも理解できなくなり、先生に質問しても、わからないことが多すぎて理解できず、放置したらテストは当然散々な結果に。自分は文系人間だと言い聞かせて英語を頑張ることで、数学が苦手ではなく、英語に適性があると気持ちを切り替えて高校生活を送る。

よくあるパターンだと思います。

今私が教えている高校2年生の生徒(日本の高校に通っています。)は、英検1級合格していますが、以前は数学が苦手で、ずっと国際弁護士になる夢を追っていました。しかし、数学の成績が現在では英語の成績を上回っています。

当然、数学の点数が取れ始めると、今までの国際弁護士の夢を何のためらいもなく捨てて、研究者の夢を今は追っています。

こんなものですよ。高校生は。

海外ではその傾向がはっきりしていて、どこの大学に入学しているかよりも、何を専攻しているかが大事なわけです。

日本でも、スポーツ推薦やAO入試などで入学できるのは、基本的に文系学部のみです。結局文系学部なら話を聞いて、暗記できれば授業はどうにか切り抜けられるわけで、理系ではそれが通用しないから、理系の推薦入試は文系とは異なり、高い学力が要求されるので別物になってしまいます。

以前家庭教師で教えた生徒で、現在慶応大学の医学部で学んでいる生徒と話をした時に、成績上位の生徒は附属の推薦組だと言っていました。

では本題に入りたいと思います。

イギリスに高校留学している生徒で、去年GCSEのテストを受けて、現在A-LEVELの数学を受けていて、半年後にfurther mathsを受ける生徒がいます。

イギリスと日本は現在9時間の時差があって、例えばイギリスが午後8時の時、日本では午前5時になります。

ですので、平日に勉強を教えることはできません。そのうえ、生徒は寮生活なので、時間にも制限があります。週末に2時間教えるのが限界なわけです。オーストラリアの高校留学生ばかり以前は教えていたので、フランスやイギリスの生徒を教えることになって時差というのを身近に感じるようになりました。

ですので、クリスマス休暇、イースターホリデー、夏休みに日本に帰国するので、その時に集中的に数学の勉強をするわけです。

で、今回のクリスマス休暇は、三角関数を集中的に教えました。

前回は指数対数関数でした。こちらをご覧ください。

今回は三角関数の加法定理(三倍角まで含む)で 和と積の公式、合成までです。

日本の中学や高校で学んでいる生徒(主に高校1年生以下)には私は英語のテキストなどで教えることが多いですが、日本の高校生(高校2年生以上)や海外の高校で学んでいる生徒には日本語のテキストで教えることが多くなります。

これは、数学は問題を解くことも当然大事ですが、数学ⅡB以上のレベルの数学は計算機を使わない前提で学ぶ日本の数学のテキストが私は好きで、それは、日本の問題は計算機を使わないことで、問題を組み立てる作業が複雑になり、そのうえ、計算ミスが許されないので集中力が必要になるからです。

加法定理だけ覚えておけばその他の関連公式を暗記する必要はない。

細かい説明は今回しませんが、ユニットサークルを極限まで理解すれは、三平方の定理である

と、加法定理が理解できれば、還元公式も、合成も、二倍角も三倍角も半角も、和積も有理関数表示もわかるわけで、これは今回は三角関数を教えていたのでユニットサークル徹底して教えましたが、指数対数関数であれば、対数の性質や底の変換公式を覚えて、対数の関係式を理解してもらいたいので、それをしっかりと組み立てて教えなければなりません。

三角関数や指数関数、対数関数は、ファーザーマスにすべてつながるので、脱落しないためには、今回の加法定理はいくら時間をかけてもかけ足りないくらい徹底的にやりたかったわけです。

加法定理でさらにHence, or otherwiseを理解する。

Hence, or otherwiseは、わかりやすく訳せば、数学の問題は、部分点を加えたいために、難しい問題などでは、数段階に分けて問題を区切り、出題する傾向があります。

実際の数学の問題で説明するとこういうことです。

半径1の円に内接する正五角形ABCDEの一辺の長さをaとし、θ=2/5πとする。

という問題があり、

等式sin3θ+sin2θ=0 を証明せよ
cosθの値は?
aの値は?
線分ACの長さは?

と、4つの問題を出題するわけです。しかし、メインになる問題は最後の線分ACの長さを求めよ。またはaの長さを求めよ。になるわけです。

ただaの長さを求めるためには、cosθの値は必要になるし、線分ACの長さを求めるためにはcosθを求める方程式が必要になるわけです。これは、両方とも余弦定理を使うことが明白だからです。

また、等式sin3θ+sin2θ=0 を証明するためには、すぐに3θ=2π−2θを瞬時に思いつかなければならないので、これが非常にわかりやすい、高校数学で脱落する理由を端的に説明している例です。

そこから、3θ=2π−2θから三倍角と二倍角の定理でcosθの式を作ることができるとわからないと話にならないわけです。

つまりこの問題を解くためには、すでに問題を読んだ時点で、3θ=2π−2θから3倍角の定理を使うこととそこから余弦定理を使うためにcosθを出さなければならない。と瞬時に理解できなければならないわけです。

つまり私が伝えたいのは、高校数学は問題の解き方も大事ですが、着眼点が正確であることがそれ以上に大切であり、そのために、普段どのように生徒に勉強を教えていかなければならないかを考えなければならないことです。

生徒はそれぞれ個性があるわけで、全員が同じ教え方で教えても同じ理解度は得られないわけです。

根本的なことは変わりませんが、アプローチは全員違うわけで、それが的確であれば、今私が教えている生徒たちのように、英語が得意であったとしても、英語に比べれば数学の方が点数は取りやすい教科になるわけです。

理解してもらえれば、イギリスのA-LEVELのテストで高得点を取るために、日本の数学のテキストを使うことも考慮に入れて併用する意味が分かってくれればうれしいです。

英語が得意な生徒(英語が話せるようになりたいと強く思っている生徒)は苦手な数学を必ず克服できる。

英語が流暢に話せる生徒に医師や研究者になって海外でも活躍してもらいたい。

大学の夏休みにOIST(オイスト)でインターンをした生徒の話を聞いていると、そう感じてしまいます。

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