英語女子の苦手な数学確率統計対策 大学入試で世界的に確率統計を重要視する流れにどのように対応していくか?
新課程に移行する今年度の入試から数学の場合、社会生活の中起こる様々な事象に対して数学的考察力を付ける狙いを重要視する出題が増えることになりました。
つまり確率統計重視ということです。
ただ、確率や統計を数学の授業で重要視する傾向はすでに欧米圏では進められていて、オーストラリアやイギリスの大学入試の問題を見ていると、データ分析や確率関連の問題が増えたな。と感じますし、データ分析の需要は、研究者やシンクタンク職員、化学分析員など急激に高まっているので、今後、学校数学で確率統計を重要視する傾向はさらに高まってくると感じます。(下は参考にした資料です。)
女子生徒にとっては、数学が苦手な上に、さらにその中でも多くの生徒が数学の中で苦手な一番手に挙げている確率統計がさらに重要視されることで、将来医師や研究者の門戸がさらに狭くなってしまうのではないのか?
寮生活をしている生徒が、ルームメートの中国人の留学生(共学校でありながら数学が常に上位)が週末は家庭教師で徹底的に数学を勉強している。と言っていました。
今日は、すごくベタで、数学が得意な人から見たら失笑ものかもしれませんが、どのように数学が苦手な女子生徒に教えているのかを伝えて、今後の確率の勉強のヒントになってくれれば本当にうれしいです。
数学は、どれだけ効率的に問題を解くことが大切かを徹底して伝えることが大切。
最初の問題例です。
J Y Pの3つのアルファベットを使って一列に並べる並べ方は何通りありますか?
ちなみに、英語の勉強も兼ねて、これを英語で表現するとどうなるかと言えば、いろんな表現がありますが、超一般的ですが、
In how many different ways can all the letters of the word JYP be arranged in a line ?
辺りで十分だと思います。
わかりますか?全部書き並べてみますか?
どんな方法でも構いません。
そうすると、答えは
JYP , JPY , YJP , YPJ , PJY , PYJ の6通りになります。
当然、多くの生徒は書き並べて6通りと答えを出すわけです。
2023年のオーストラリアのNSW州の数学のmathematic extension 1で出題された問題です。
In how many different ways can all the letters of the word CONDOBOLIN be arranged in a line?
ちなみに訳すと
CONDOBOLINの10文字をすべて使って文字列を作るとき、何通りの文字列ができるか。
これでは、同じアルファベットもあって、さっきのCATの3文字とは違って10文字では書き並べたら時間もかかるし、書き落としも出てくるわけです。
まず、10文字のアルファベットを一列に並べる並べ方は10!で、3つのOと、2つのNがあるので、2!×3!で割るわけです。
つまり、10!÷(3!×2!)=302400通りとなります。
はい、終了!
では、どうしてそうなるのかもわからないままで、記憶に残らないし、翌日には完全に記憶から消えてしまうわけです。
ですので、10文字だと多すぎるので、4文字の単語でやるわけです。文字が重なるBOOKと重ならないHYBEでやってみましょう。と、します。
文字では、ゴチャゴチャするので、最初は数字で教えます。例えば、1234(HYBE)と1223(BOOK)でやってみます。
まず、HYBEの場合
1234,1243,1324,1342,1423,1432
2134,2143,2314,2341,2413,2431
3124,3142,3214,3241,3412,3421
4123,4132,4213,4231,4312,4321の24通りです。
BOOKの場合は
1223,1232,1322
2123,2132,2213,2231,2312,2321
3122,3212,3221の12通りです。
同じ数字が2つ以上あると、かなり混乱しますがアルファベットでやるよりは、ミスをしないで済むと思います。
上と下の違いは、4の数字の変わりに2を一つ増やしたために、1234と1232が同じになったわけで、それが、1243と1223が同じになり、HYBE(1234)の24通りがすべて2つのペアになったので、24を2で割って12通りに減ったわけです。
これが、12333のように、一つの数字を3つにすれば、本来5桁の数字は5×4×3×2×1で、120通りですが、333が仮に3A,3B,3Cとすれば、全部で6通りになるので6で割って20通りと計算できるわけです。
もちろん、どうして4桁の数字を4枚のカードで並べると、4×3×2×1で求められるかも、別途詳しく説明するわけです。
このように、単に公式を暗記するだけでは、簡単な問題は解けたとしても、問題が複雑になると、公式理解度が暗記によるものだと対応できないわけです。
英語の習得が早い生徒は、基本的に感性の塊の生徒が多く、理屈っぽいことが本当に苦手で、このような確率の問題が本当に苦手なわけで、これを一度説明しただけでは覚えてくれるわけではなく、何度も同じことを繰り返して納得できるまで時間をかけて教えるわけです。
また、英語力の高い生徒は基本的に英語のテキストで教えるようにしています。これは日本語に比べたら説明が理屈っぽくなく、まだ英検1級取得してない生徒は、生徒の英語力に合わせて英語での問題を混ぜて教えるようにしています。
教えている生徒の一人が全く日本語を理解できないのですが、その生徒が一番確率や統計の覚えが早かったです。やっぱり、日本のテキストは本当に理屈っぽいわけです。
これが、英語が話せるようになると、海外で仕事をしたい。海外の大学に行きたい。と自然と考えるようになる流れです。
それくらい日本の数学は男子生徒にわかりやすく女子生徒には理解不能に説明するテキストなわけです。
現在は、ビジネスでもコンサルタントなどの職業は確率や統計が把握していないと相手に納得できる情報を伝えることができない時代です。
課題解決。つまりデータサイエンスの需要が高くなる時代です。データサイエンスはどんな人でもこれから仕事をする場合には最低身につけておかなければならないスキルであって、高いレベルの仕事をしたい人にとっては確率統計の理解は不可欠になっていくわけです。
そのような面からも、確率や統計が苦手であっても避けては通れない、つまり、嫌いであっても我慢してでも理解してほしい分野になっていくはずです。今まで大学受験で、何度も確率の問題で多くの時間を使って、生徒と本当に気まずい雰囲気になったわけです。私が生徒をいじめているのではないか?とも思った時が何度もあり、今教えている生徒にも同じ気持ちがありますが、将来就きたい職業に就く夢を叶えるためには、大学入試で数学を受験しないといけない人は避けられない道です。
映画やドラマや音楽やディズニー好きには辛い時代になってきました。