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数学Ⅱの不等式の証明が女子生徒には難しすぎる。小学生や中学生からしっかりと対策することが本当に大事。

高校2年生の数学のテキストの最初で、式と証明を学びます。不等式の証明がメインになります。

最後に、相加 相乗平均の大小の活用があって、このような式なのですが、

多くの人が

だから何?

という気持ちが強くなって、数学が一層嫌いになっていくわけです。

海外では、一応AM-GM inequality(arithmetic mean and geometric mean inequality)として学ぶ学校も少なく、この辺りは、恒等式などと同様にidentitiesとして組み込まれる場合が多いのですが、アメリカやイギリスの大学のインタビューはこの辺りは普通に理解して自信をもって説明できなければ話にならないわけです。(当然英語です)

将来医師になりたい。食品開発の仕事がしたい。環境問題を研究するグループに入って社会貢献をしたい。このような仕事は、直接命を扱う仕事になりますので、歌手になりたい、俳優になりたい。という夢とは違い、かなり高度な数学や理科などの知識を必要とされるものなので、大学で専門的な勉強をしなければなりません。

一部の女子生徒でも問題なく数学をこなしていく生徒もいますが、本当にごく一部です。実際に男女共学の進学校の数学の成績を見れば一目瞭然です。成績上位は男子独占、女子は数学が苦手と勘違いして文系選択に。本当によくありすぎる話です。

実際に確率が苦手ではないのか?という、前兆は小学生や中学生の時に出ているはずです。計算問題や図形の問題は問題ないが、確率系の問題が全くわからない。などです。

今日は、高校2年生で学ぶ数学Ⅱの不等式の問題を例にとって、どうして女子生徒は数学が苦手になっていくのか?どのように対策すればいいのか?に関して書きたいと思います。

問題はこちらです。

4つの文章を正しいものと正しくないものに分けてください。
正しくない文章は成り立たない例を挙げてください。
①     a>b , c>d ならば、a+c>b+d.
②     a>b , c>d ならば、a−c>b−d.
③     a>b , c>d ならば、ac>bd.
④     a>b ならば、1/a<1/b.

正直、冗談ではなく、この問題を1分以内で解くことができるようにさせるために小学生や中学生から数学を教えていると言っても言い過ぎでも何でもありません。

数学が問題なくできる人であれば、この問題はきっと

本当に高校生で学ぶ内容なの?小学生でも一瞬で解ける問題じゃない?

正直私も学生のときは、

さすがにこの問題は高校生が学ぶレベルではないのではないか?

小学3年生でも普通に解けるのではないか?

本気で思っていました。いろんな生徒の家庭教師をする中で、特に数学が冗談でわざと答えているのではないか?と何度も思いました。しかし、だんだん、本当にわからない。と理解して、どうして理解できないのか?を真剣に考えるようになりました。

まずは、この①から④までは、①が足し算、②が引き算、③が掛け算、④が割り算になっています。この中で四則計算で順番が変わっても答えが変わらないのは、①が足し算だけなので、その時点で、残りの引き算、掛け算、割り算は反例を提出するわけです。

まず、②の引き算の場合は、

例えば、aとb、cとdの差が同じであればa-cとb-dは等しくなります。例えば、a=4,b=2,c=5,d=3であれば、4-5も2-3も−1になりますが、もし、d=1に変えれば、a-c>b-dの不等式は成立しなくなり、あくまでも、abcdそれぞれの数がどうなのかではなく、aとbの差が、cとdの差よりも大きければ不等式が成り立つわけです。

次に、③の掛け算の場合は、

これが一番簡単で、掛け算の場合は、負の数×負の数が正の数になるので、aとcのどちらかが負の数で、bとd両方が負の数であれば、不等式は成立しません。例えば、a=4,b=−2,c=−3,d=−5であれば、ac=−6,bd=10であれば不等式は成立しなくなります。

最後は、④の割り算ですが、

この場合は、a>bならば、1/a<1/bで1÷aと1÷bで、正の整数割る負の数であればマイナス、正の整数割る正の数であればプラスになるわけで、aが1で、bが−2であれば不等式は成立しなくなるわけです。


 
どんなところで混乱してしまうのか?
 
ほとんどの場合は思い込みです。英語力の高い女子生徒は読書などの習慣があるため、文章読解力は相当高くなります。ただ、数学に出てくる計算は、イメージのできる素材がない場合が多いわけです。
 
つまり、Aという果物5個とBという果物3個というと、Aがイメージできないわけです。これが、りんご5個、オレンジ3個というとイメージできるわけで、数学のような代数を使った説明や、確率のような、5個赤4個白のボールがあり、連続で赤を選ぶ確率は?という問題も、数が多すぎてイメージできなかったり、余分なこと、つまりこの問題でいえば、連続で赤の確率を答えればいいのに、関係ない、1回目白2回目赤の場合とか、全体を把握したくなる病や、なぜかけなければならないのか?で混乱して、いきなりわけのわからない箇所で足したりとか。もう混乱しまくりになるわけです。
 
何よりも、一番は、問題で不等式が成り立つ場合と成り立たない場合が同時に起こるということに違和感を覚えてしまうことが大きいと思います。とにかく混乱してしまうわけです。
 
どんな対策が効果的であるのか?
 
今回の場合は確率とは違い不等式ですので、数字の規則性をしっかりと理解することだと思います。
 
普段から、2⁵=32ですが、2の10乗はいくつか?
 
2の5乗は32なので、多くの人が、2の10乗は64とか、200くらいとかいうわけです。しかし実際は2の10乗は1024です。
 
また、では、3の10乗はいくつか?
 
これも、3000くらい?と感じますが、実際は、59049です。
 
指数計算や対数計算も高校2年生で習いますが、私が教えている中学1年生も2年生も二人ともすでに指数対数計算は教えています。それでも確率は苦手には変わりはありませんが、わかってほしいのは、今の教えている高校生や卒業した生徒を見ても、とにかく中学生の時にしっかりと基礎力を固めることだと思います。因数分解も、かけたら3足したら4で答えを出せば簡単ですが、実際に、x²+4x+3=0で、整数のいくつをplug inしたら、0になるのか?など、先のことを考えていろんなパターンで問題を解かせることが本当に大事だと思います。
 
女子にとっては数学が塾でどうにかなるのは中学生まで。
 
私が教えている生徒は、先を見越したり、すでに確率などで問題点が明らかになったなどの理由で数学に危機感を持って数学に取り組んでいます。全員が当てはまります。特に英語力の高い生徒は如実に症状が現れます。
 
数学ができないだけの理由で医師や研究者の道を諦めないでほしい。
 
今までに多くの生徒を医学部や理系学部に送って感じたのは、大学生活が本当に大変すぎているけど充実していることです。
 
現状は女子にとって数学を学ぶ環境は本当に劣悪です。海外のテキストを使ったりして、その生徒に合った教え方を考えて時間をかけて完成に持って行く。多くの人が、インドではどんな数学の教え方をしているのか?中国ではどうなのか?アメリカとイギリスでは違うのか?など分析すればどんな教え方がいいのかは自然と見えてくるような気がします。

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