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中学1年生に数学Ⅱ(高校2年生レベル)で学ぶ、三角関数の加法定理、二倍角、和積積和をどのように教えるか?生徒の個性を理解して計画を立てる大切さ。

中学1年生に数学Ⅱ(高校2年生レベル)の三角関数の加法定理、二倍角の公式、和積(積和)の公式を使って問題を解く練習をする必要があるのか?

ちなみに問題例を出します。
半径1の円に内接する正五角形ABCDEの一辺の長さをaとして、θ=2π/5とする。
①     等式sin3θ+sin2θ=0が成り立つことを証明せよ。
②     cosθの値を求めよ。
③     aの値を求めよ。
④     線分ACの長さを求めよ。

これを中学1年生や中学2年生で解け。はないですよね。灘や開成の生徒だけで充分です。

ただ、それでもやらなければならない理由があるわけです。単なる、先取りした学習ではなく、最大限効率よく学ぶための一つの戦略です。

今日はこのことについて話したいと思います。

女子は数学が苦手。

それは、日本だけではなく、海外でも同じです。

ただ、その中でも日本の男子と女子の数学の平均点の差は非常に大きいわけです。

しかし、私が教えた経験のある生徒の全員例外なく、数学が苦手ではなく、確率が苦手であったり、空間図形が苦手だったり、グラフの読み取りが苦手だったりしているだけで、普通の代数に関しては大きな問題がない生徒が多いわけです。

つまり数学の一部の分野が苦手なだけで数学全般が苦手なわけではない。ということです。

そして、現在中学1年生の生徒は小学6年生の4月からイギリスのGCSEの数学のテキストを使って家庭教師を始めました。

私はEdexcelのテキストが好きなので、日本の生徒にも時々視点を変えたい時にA-levelのfurther mathのEdexcelのテキストを使って教えています。

教え方は、GCSEのテキストを使って、全部教えていくわけですが、苦手だったり、理解が十分でなかったら、そこでその単元は切り上げます。そして、それぞれの単元ごとに理解度がどのくらいだったかを全部データを取ったわけです。

結果として、代数系は問題ないがグラフ問題が苦手、確率系の問題は信じられないレベルでできない。つまり代数であれば、そのまま三角関数や微分積分まで教えてもおそらく問題ないが、場合の数や確率、集合などは壊滅的。

となりました。

例えば、グラフを描く場合も

V=90−1.5tの式をグラフに書いてもらうために、

90なので1目盛りは5にしてと伝えたら、このように描いてくれると思ったのですが、

実際はこのようになってしまって、これでは、いつタンクの水がなくなるか?という肝心の場所が書けなくなってしまうわけです。

で、三角関数の基礎を教えることに十分な時間を使いました。

ただ、sinθは対辺/斜辺、cosθは鱗片/斜辺、sin30°=1/2やcos30°=√3/2ではなく、unit circleを使ってこのように関連性を徹底的に伝えてきました。

つまり、sinθ=y/rとして、y=r sinθの理解。当然、sin²θ+cos²θ=1もunit circleから自然と理解するようにしておくことで、加法定理や二倍角、積和和積の公式を理解してもらうようにしているわけです。

日本の数学と違い海外の数学の場合は、レポートを書く授業も多く、イギリスの理系の数学の試験では面接官の前で実際に数学の問題を相手にわかりやすく説明しながら瞬時に解く能力も求められるわけで、そのような対応をしていかなければならないわけです。

咲いた、コスモス、コスモス、咲いた

のような、日本人丸出しの海外では失笑を買うレベルの語呂合わせで教えるから真面目な女子は納得できなくなって理解できなくなり、数学から離れていくわけです。

英語女子にとって、テストのための日本人大好きな語呂合わせ覚えは全く心に刺さらない人が多く、三角関数なども、問題をひたすら解くだけでなく、三角関数の性質をしっかりと理解させることに莫大な時間を費やした方が大学入試に向かって効率的な勉強方法になると思います。

とにかく日本の中学高校の数学の授業での男性支配は他の国では考えられないレベルで、そのあおりを完全に受けているのが女子生徒になっていると思います。

以上のような理由で、中学1年生が高校2年生の三角関数の授業を学ぶのは、単なる先取り学習をするという目的よりも、どちらかと言えば、その貯金を苦手な分野の勉強にがっちりと投入するための一つの戦略であって、確率はギャンブルや統計大好きな男子には、感性磨きの女子は歯が立たない。という理由だと感じます。

また、海外のテキストで学ぶことが、英語の勉強になったり、海外の日本とは違う数学の問題を解くアプローチなども体感することが出来て、効率的な学習ができるわけです。

画一的な学習でゴールに向かう教育ではなく、個人の能力に合わせた教育を考えることで、今まで数学が苦手だと思っていた人が数学の素質が開花したりするわけで、私が教えている現在高校3年生の生徒は、数学が十分ではなかったために国際弁護士を目指していたのですが、数学の成績が英語の成績を超えたことで理系に何のためらいもなく変更しました。(英検1級は取得済み)

理系の日本人研究者が、海外で流暢な英語で外国人と対等に仕事の話ができるような人がたくさん誕生してもらいたいです。


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